シンガポールのテニス環境。高い教育水準と高い経済性。うまくテニスに流れれば。。。


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シンガポールのテニス環境を現地で調査

シンガポールのテニス環境のまとめです。視察したテニスクラブは3つ。現地でコーチをする元シンガポールデハ杯代表選手Garyさんに案内していただきました。2つは屋外コートで1つは屋根付きのテニスクラブでした。午前中だったのでジュニアの練習は、1人だけ(個人レッスン中)それ以外は主婦の方が主にプレイしていました。

シンガポールと言えば経済大国!だけど。。。

街には高層ビルが立ち並び、物価も高い。道路には国の政策で木が植えらえていて、人口的ですが緑も豊かで、ゴミもなくとても綺麗な街です。そんな街から想像すると、マヨルカ島にできたナダルアカデミーのような最新施設があってもおかしくないように感じましが、テニスクラブのコートやクラブハウスはそれらと比べると少し見劣りがしました。

日本との世界ランカー比較

まず始めにシンガポール国籍のテニス選手の状況から。()内は日本人のデータ。2016年10月3日現在のデータです。

男子世界ランク100位内 0人(4人)
男子世界ランク最高位 2003位(5位)
男子世界ランカー 1人(68人)

女子世界ランク100位内 0人(4人)
女子世界ランク最高位 574位(31位)
女子世界ランカー 1人(66人)

ジュニア男子世界ランク100位内 0人(5人)
ジュニア男子世界ランク最高位 303位(5位)
ジュニア男子世界ランカー 10人(78人)

ジュニア女子世界ランク100位内 0人(5人)
ジュニア女子世界ランク最高位 578位(16位)
ジュニア女子世界ランカー 6人(105人)

日本とのGDP比較(2015年)

名目GDP 39位 (3位)
一人当たりのGDP 7位 (23位)
()内は日本

テニスコート紹介

訪れたテニスコートは3つ。
まず一つ目。ハードコートとクレーコート合わせて10面以上ある大きなクラブでした。

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レッドボール用のコートが5面あったのには驚きました。

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2つ目は2面だけの綺麗なハードコート。
シンガポールにはホテルに併設されている2〜3面ほどのテニスクラブが多いそうです。

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3つ目は屋根付きのクレーコート。

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前述の通り、街の高層ビルなどの近代的なイメージかたすると、テニスクラブのクラブハウスは最新鋭とは言えないものばかりでした。お昼間から上手いジュニア達がガンガン練習しているようなこともありませんでした。

テニスコーチ曰く

土地が狭く、1面あたりの練習人数が多くなるので、効率が求められる。グループレッスンのうまさが求められるという話だったので、テニスの強化というよりは、レジャー的な立ち位置なのかなという印象でした。もちろん、真剣にやっているジュニアもいるんでしょうけど、ITFジュニアランカーの数などから見ても、あまりチャレンジしているようではありません。経済的な数値を見ると、やる気になればテニスにお金をかけてチャレンンジすることは可能だと思います。

オリンピックのメダル数

日本が、金12・銀8・銅21で計41個に対して、シンガポールは、金1の合計1個。経済的には大成功している国ですが、オリンピックの強化予算などはさほど高くないのかもしれません。スポーツ強化に対して国の関心は薄いのでしょう。

この記事によるとシンガポールは、金メダルを取った時の報奨金は高いですが、それと強化費用はまた別です。報奨金だけだとアメリカの選手の約30倍貰えるみたいです。

COST OF SUCCESS Singapore winners get £572,000 while US champs receive £19,000

このオリンピックのデータから見ても、スポーツ強化への関心はあまりないのかなと感じます。そして、視察したテニスクラブにも同じような空気を感じました。もちろん、コーチ達は情熱あふれる指導を行っています。そこは誤解のないように。そして経済的に発展している国なので、カスタマーのコーチを選ぶ目は厳しいです。それがジュニアの強化の方に流れていくと、とてつもなく伸びる可能性を感じました。

教育熱

シンガポールのテニスをする子供達の環境を語る上で切り離せないのが教育。教育立国と言っていいくらいの高い教育水準を誇ります。

世界大学ランク

シンガポール国立大学 26位
東京大学 43位

TOEFLスコア

シンガポール アジア1位
日本 ワースト3位

PISAスコア

シンガポール 2位
日本 5位

PISAとは、OECD(経済協力開発機構)加盟国を中心に3年ごとに実施される15歳児の学習到達度調査の事です。主に読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーなどを測定します。日本でよく行われている学力テストとは異なり、生きていくうえで必要な能力を調査することに比重がおかれています。暗記とかではなかなか解けない問題ばかりです。

シンガポールの特徴

①物価が高い
②経済的に大成功し世界の注目を集める国
③治安が良い
④テニスのレベルは日本の方が上
⑤教育水準が日本より高く競争も激しい

③と④からジュニアITFの世界ランクポイントが獲得できる大会への出場はおすすめです。勝ち上がってポイント獲得のチャンスがあります。現在1年に1大会のみ開催してます。

①はマイナス要因ですが、移動時に使うタクシーは日本よりかなり安いです。

②がこの国の一番の魅力です。テニスのみならず、この国から学べることはとても多いです。アジアのビジネスの中心地といっても過言ではありません。国土面積が狭い、資源がない、ないない尽くしの中で、たった51年で今の経済大国に成り上がっています。この国のジュニア達は、テニスもしながら勉強も恐ろしく頑張っていると思いますから、交流することで刺激を受けること間違いなしです。

そして現在、女子のトップ選手が集うWTAファイナルが行われているのがここシンガポールです。現地のジュニアと練習して、WTAファイナルを観戦なんていうツアーは面白そうですね。

WTAファイナル-シンガポール

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