海外の大会出場で学ぶ、世界で勝ち抜くために必要なこと


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現在8名のジュニアと1名のコーチの引率でスペイン、バルセロナにあるサンチェス・カサルアカデミーを訪れています。私自身が14年前に1年3ヶ月滞在し選手として修行を積んだ場所でもあります。昨日の日曜日は地元の1dayトーナメントに参戦しました。参加したジュニアにとっては、ちょうど良いレベルの大会で4人の選手が決勝戦までコマを進めることができ、勝ったり負けたりを経験できました。

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日本人が世界のテニスに離されて行くのはU14以上のカテゴリー

欧米の選手はU14のカテゴリーから身体の成長によってスピード・パワーが増してきます。もともと質の高いテニスをしていたけれど、ミスが多くて負けていた選手が、攻撃力が増すことによって頭角を現してきます。この年代以降で欧米の選手を上回っていくために必要なこととはどんなことでしょうか。

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U12では質の高いテニスにチャレンジ、質の高い負けの経験がのちに生きてくる

世界中共通して、U12では安定感のあるテニスが結果が出やすいので、質の高いテニスにチャレンジしている選手は、安定感の前にミスが増えて負けてしまいます。U10の世界一決定戦と言われるクロアチアのスムリクバボールでも、のちにグランドスラムで活躍する選手は出場はしてますが優勝はできていない選手がほとんどです。良い負け方をしている場合は、負けたからと言って取り組みを変える必要はありません。そこは指導者や保護者の方がしっかりと見極めて声をかけてあげる必要があります。さらに質の高さをあげて相手を崩す方法を教えてあげる。さらに新しいことに取り組むのでまた負ける可能性が高まりますが、そのチャレンジ、その質の高い負けの経験が後々大きな身を結びます。

U14では身体の発育の差に食らいついて行く

前述したようにU14から身体の差が出てきます。欧米選手は高く大きくなり、スピード・パワーがついてきます。ですがまだ少し荒削りな状態。メンタルなどの安定度が弱く、良いパフォーマンスが持続できません。そのような選手との対戦で、その弱いメンタル部分だけにつけこんで、コートの安全なところにメッセージ性の低いボールを返して勝ちにつなげようとする戦い方では、例え勝ったとしても褒められた試合とはなり得ません。もっと強くなりたいと思って試合に出るのであれば、質の高さに食らいついていく必要があります。世界を経験する上で良いところは、質の高いテニスにチャレンジしている選手が日本国内よりも圧倒的に多いところです。

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勝ち負けの結果ではなく、どのように戦っていたのかが重要

以上のことから、ジュニア育成年代の海外遠征では勝ち負けも大切ですが、どのように戦っていたのかが重要になります。

U12以下の試合

U12では安全なプレイばかりをして勝つことは将来に良い影響を与えません。ヨーロッパの大会やアメリカの大会でも低年齢で勝っているのは安定感のあるテニスをしている選手が90%です。展開力・創造力で相手を圧倒できる選手は10%もいないと思います。展開力・創造力のある選手はミスが増えて優勝できずに負けてしまいます。この年代では、多彩なショット、多彩なアイディアの引き出しを増やして試合の中で表現するようにチャレンジして行かなければなりません。

U14以上の試合

U12で身につけた多彩さを使って、欧米の選手のスピード・パワーに対抗していく術を身につけて行く。相手のスピード・パワーに圧倒されると勝つにしても負けるにしても相手次第という試合になってしまいます。そうならないように、自分のテニスを構築して行く必要があります。単なるリアクションテニスにならないように、相手を上回る何かを探しながら戦うことが求められます。

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ヨーロッパでは、質を追求するための環境作りをしている

そして海外でもU12以下で優勝するジュニアは先述したように確率が高いテニスをする選手です。質の高いテニスに取り組んでいる選手は、U12以下ではチャンピオンになれなくても気にする必要はありません。ヨーロッパではそれは周知の事実であり、テニスヨーロッパと言われるヨーロッパ中で行われているジュニア大会もU12はカテゴリー3のみ。それより上のカテゴリーは設けていません。その年代で勝つことを重視していないからです。

質の高い競争環境を生かすには?

上記の強者を生み出す流れを意識してチャレンジすることです。もちろん出るからには勝ちたいですし、勝ったほうが良いに決まってます。でも勝つだけが全てではないのがジュニア育成年代です。

世界に揉まれよう!!

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