スペイン伝説級コーチに聞いた育成のポイント・強い選手の条件!アンヘル・ヒメネスインタビュー②
アンヘルコーチジュニアの育成・強い選手の特徴について聞いてみました。
ガブリエラ・サバチーニ、アランチャ・サンチェス、メアリー・ピアース、スベトラーナ・クズネツォワ、4人の世界1位やグランドスラムタイトルをサポートし、61歳になった今もオンコートで活躍するアンヘル・ヒメネスコーチにインタビューをしてきました。
ジュニアの育成で大切にしていることはなんですか?
プレイについて正確なコンセプトを持ってもらうことを大切にしています。適切ではないコンセプトを持ってしまうと、限界が訪れるのが早くなります。ジュニアの時期はとても重要です。この時期にどういう風に攻めるのか?どういう風に守るのか?ということを正確に理解しておくと、その後も上達し続けることができます。プレイのシステムを理解できていれば、大会に出て経験を積むことで一つずつ実力を上げていくことができます。
アンディ・マレー選手は、毎年レベルを上げていくことができました。テニスのシステムの全てをここ(サンチェス・カサル)で練習し、学びました。基礎がしっかりと出来ているので、成長が天井知らずでした。
これまで世界ナンバー1を4人も育てています。強い選手に共通する要素、テニスの才能で最も大切なことはなんですか?
4人ともそれぞれ違ったタイプの強いメンタルを持っていました。ナンバー1の選手に共通するのは、強いメンタルです。絶対に上達するんだという強いメンンタリティを持っていました。そのために自発的に練習し、実力を上げていきました。才能や技術は、努力して身につけることができます。その努力に必要なのは、絶対に強くなるんだという強いメンタリティです。テニスのためにたくさんのことを犠牲にしています。
才能があっても成功できなかった選手をたくさん見てきました。逆に才能がなくても成功できた選手もたくさんいます。クズネツォワ選手は、テニスの才能はそれほどありませんでしたが、強いメンンタリティで努力を続けて成功しました。ちなみにマレーは才能もとてつもなくありました。
選手としてだけでなくコーチとしても成功できた要因はなんだと思いますか?
選手を引退した時に、今度はテニスを教えたいという気持ちが芽生えました。私自身の失敗も含めて、経験したたくさんのことを伝えていきたいと思いました。私の身長では(163cm)、自分が勝つために戦略を考える必要がありました。いつも他の選手を観察し、分析していました。その経験がコーチングの役に立っていると思います。
これまでで後悔したことがあれば教えてください
失敗は誰にでもあります。ですが後悔とは違います。初めてラケットを握った12歳の時からテニスは私の人生そのものだと思っていました。生活面では多くの犠牲を払ってきましたが、いつもテニスが私を満足させてくれていました。ですから失敗はありますが、後悔はしていません。
スペインドリルではボールの後ろに足を決めてしっかりと撃ち抜くことを繰り返しますが、足の決め方、決め具合でその選手の実力がわかりますか?
足の動きを見るとその選手の限界がわかります。その限界を伸ばせるように練習しています。怖いのは間違った形のコンセプトを理解してしまうことです。ですから繰り返し繰り返し同じ練習をするわけです。
まとめ
アンヘルコーチが言うコンセプトは、サンチェス・カサルの練習の中に組み込まれています。私自身は1年3ヶ月、毎日やりつづけましたから頭では理解できていますが、身体ではまだまだでした。シンプルなことこそ突き詰めるのが難しいものです。また強い選手に共通するのは強いメンタルだということです。上達を追い求めるには、たくさんの犠牲を払わなければなりません。
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