スペインテニスって『グリグリでつなぐテニス』と言う誤解から考える先入観の怖さ。
伝えたいポイント
1、スペインテニスはトップスピンばかり練習しているわけではない
2、実際は良い打点に入って厚いあたりで打つことを極めようとしている
3、クレーコートで勝つための戦い方としてスピン多めのスタイルに落ち着く場合が多い。でも2で培った能力によって様々なサーフェイスで結果を残すことができている
1、スペインテニスはトップスピンばかり練習しているわけではない
スペインテニスと聞くと、『グリグリのトップスピンでミスせずにつなぐんですよね?』と言われます。グリグリというのは、回転量が多いことを表現するテニスのスラング的な用語です。『実は全然違うんですよ。』なんて答えるとそこから10分ほど説明しないといけないので、『ま〜、そんなんですかね〜。』なんて濁すこともあるけれど、実際は『グリグリのトップスピンでミスせずにつなぐ』なんて生易しいものではなんです。
2、実際は良い打点に入って厚いあたりで打つことを極めようとしている
まずスペインの選手の練習を見てもらう必要があります。スピンがかかっているかいないかと言えば、もちろんかかっているのですが、弾道はミサイルのごとく鋭く、『つなぐ』なんて日本語が当てはまるものではないことは確か。スイングは鋭く、いつも全力、グリグリなどではなく完全にボールをひっぱたいている。9歳の男の子の練習の動画ですが、スイングの鋭さが伝わると思います。そして力任せに振っていません。
3、クレーコートで勝つための戦い方としてスピン多めのスタイルに落ち着く場合が多い。でも2で培った能力によって様々なサーフェイスで結果を残すことができている
結論を言うと、これらの破壊力のあるショットをラリーが続くクレーコートで勝つために自然に生まれた戦うスタイルをテレビで見ると、『グリグリのトップスピンでミスせずにつなぐ』ように見えていると説明に落ち着きます。ほとんどの日本人が、クレーコートに立ち、ヨーロッパの選手の強打を受けると、『つなぐ』なんて感想は持てないでしょう。それどころか、一発でエースを取られること間違いなし。誰も『つなぐ』なんて猶予はくれません。見るとやるとで大違いなクレーコートでのテニスと言えるでしょう。
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