錦織選手対デミトロフ選手から学ぶ、低年齢から大切にしておくと後で役に立つ練習ポイント。
YouTubeで昨日行われたブリスベンの決勝、錦織選手対デミトロフ選手を見ました。こういうのがすぐに編集されて、しかも無料で見られる今の子供達は羨ましい。(注:このブログを書いた時に貼ったYouTubeの動画は削除されていたので、動画リンクを削除してあります。)お父さんお母さんには、ぜひ一緒に見てレッドボールやオレンジボールで真似してほしいと思います。当然のごとく炸裂しているエア・ケイも楽しんでもらいたいですが、真似してもらいたいポイントを挙げておきます。その前に今日のアドバイスをするための大前提を言っておきます。私が20年ほどジュニア育成をやってきた経験から言える事、それは、
打つのは、数さえ打っていれば、そのうち誰でも上手くなる
って事です。打ち方にこだわる事は悪い事ではありませんが、それならストレッチや身体作りに励んだ方が何倍も効果があるでしょう。(打ち方が自然に変わってくるから)では数を打ってもなかなか変わらないものってどんな事なんでしょうか?このyoutubeの決勝の動画で学べるのは、
①積極的にコースを変えているか?
②コート上で色んなポジションを使っているか?
③同じ事ばかりせずに変化をつけられているか?
この3点です。
そしてテニスを始めたレッドボールの頃から、打つのは下手でもこういう事を楽しみながらテニスができるといいと思います。
①積極的にコースを変えているか?
良いところ取りの編集とはいえ、これだけ楽しいラリーに見えるのは、同じところばかりに打っていないからです。多くても2球打ったらコースを変えています。これ、本当に難しいです。やってみるとわかると思いますが、すぐにミスします。テニスを始めた時に、積極的にコースを変えていくことを普通にしておかなくてはなりません。当然、ミスは多くなりますが、大前提、打つのはいつか上手くなってきます。その時にコースを変えてもミスをしないストロークを身につけられるかどうかは、最初の時点でのテニスのイメージにかかってきます。
②コート上で色んなポジションを使っているか?
後ろにいたり、前にいたりと同じところにいないようにしましょう。錦織選手は、ベースライン後方にいるかと思ったら、ベースラインの中に入ってきます。またはベースラインに張り付いて下がらないこともあります。戦うイメージがしっかりとなければ、こういった動きはできません。我々世代がよくやった、単純な左右の振り回しは、どちらかというリアクションテニスに有効です。それも大切な練習には違いありませんが、低年齢の時に育てておきたい感性は、戦うイメージです。攻めたり守ったり、いろんなポジションでプレイできるようにしておきたいです。
③同じ事ばかりせずに変化をつけられているか?
この動画では、ショットの立体感や回転量はわかりにくいです。でもよく見ているといろんな軌道のボールを使っているのがわかると思います。ドロップショットも多く登場しますし、スライスたネットプレイ、ショートクロスもあります。はっきり言ってショータイム状態です。これはお金払ってでも見たくなります。ハーフボレーくらいのタイミングなのに、絶妙なためを作って打つショートクロスなんてありえないですわ、芸術。。。変化のつけ方ってお手本があるとやりやすいんです。結局はアイディアありきですから。なのでこの動画はすごく勉強になります。
おまけ
試合を全部見たわけではありまあせんが、デミトロフの死んだふりというかギアの下げ方・上げ方は、なんともヨーロッパの選手ぽい。コツコツ平均して集中力を使う日本人にはあの感じは、なかなか真似できないでしょう。でもああいう感性は、テニスだけでなくビジネスなんかでも応用できると思うんですよね。流れない時に頑張っても仕方ないでしょ的な抜き方。錦織選手もうまいですよね、そういう抜き方。最後に試合ではあんなに激しく動くデミトロフ選手のリラックスしたラリーの映像です。(デミトロフ選手の動画はなくなっていたので、リンクを削除しました。)色んな角度から情報を集めるとさらにいい勉強になりますよ。
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