全豪(オーストラリアン)オープンで快進撃の15歳、ウクライナのコスチュク 選手に学ぶスケジューリング。強くなるための試合選択方法
上のインスタは、現在行われいるグランドスラム大会、オーストラリアンオープンで15歳ながらベスト32に進出したウクライナのコスチュク (KOSTYUK)選手。昨年の同大会ジュニアの部で14歳で優勝し、注目を集めました。このブログでも彼女の低年齢時からの試合のエントリーデータを調べて、強くなるための試合選択の参考にしました。
常に上のカテゴリーに挑戦し続け、勝てる大会と負ける大会をうまくミックスさせて試合のエントリーをマネジメントしています。では2017年の1年間はどのようなスケジューリングをして、今回の全豪の結果に結びつけたのでしょうか?
昨年の全豪〜今年の全豪までのスケジュールと戦績
赤字が一般の部、黒字はジュニア大会です。
3月
15,000ドル ベスト4
5月
25,000ドル 1回戦負け
25,000ドル 優勝
6月
全仏ジュニア 2回戦負け
60,000ドル(WC) 1回戦負け
international WC) 予選1回戦負け
7月
ITFジュニアG1 ベスト4
全英ジュニア 2回戦負け
ITFジュニアGB1 準優勝
8月
ITFジュニアG1 優勝
9月
全米ジュニア 2回戦負け
10月
ITFジュニアマスターズ 3勝
2018年
25,000ドル 1回戦負け
オーストラリアンオープン ベスト32
合計
一般・・・7大会
ジュニア・・・7大会
とバランス良く同数出場しています。
勝率
一般の部では早期敗退が多いですが、予選は勝ち上がっていることがほとんどなので(一部本戦WC)高い勝率です。
一般の部・・・15勝5敗、75%
ジュニアの部・・・20勝5敗、80%
一般の部では、4大会予選スタートで3大会は勝ち上がっています。唯一の予選落ちはWCで出場したインターナショナルレベルの大会なので仕方ないです。実力がある証拠だと思います。6月には6万ドル大会やインターナショナルレベルの大会をワイルドカードで経験していますが、ジュニアグランドスラム大会は、優勝した全豪以外の3大会はすべて2回戦負けです。高いレベルにチャレンジしながら、もがき苦しんで、テニスを磨いている最中という感じでしょうか。
優勝と早期敗退
一般の部とジュニアの部で一つずつ優勝があります。
一般の部(本戦)
6大会中、一回戦負け4大会
ジュニアの部
7大会中、二回戦負け3大会
全体の約半分は一回戦・二回戦負けです。先ほどの過去記事内のこれまでの試合選びを見ていても、毎年、全体の半分くらいは、自分の実力よりも高いレベルの大会にエントリーしています。
錦織選手も
過去記事の錦織選手のジュニア時代の試合選びを見ていても、同じように1回戦負けが多くても高いレベルにチャレンジしています。
通用するものを作る
ただ私のこれまでの経験では、ただ闇雲に高いレベルに出ることだけが正解とは言えないと思います。勝つ経験も大切だし、高いレベルに出ても、何も通用するものがないのであれば、良い経験にはならないこともあります。通用する何かがあり、それ以外の部分を埋めるために参戦するというのが理想だと思います。ヨーロッパのアカデミーで、自分とりも上のレベルの選手と練習できる選手は、上のレベルでプレイしても自分のポイントの取り方ができる選手です。
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