ガラパゴス化進展中。。。
先日、あるテニスコーチのブログを読んでいると、ガラパゴス化という言葉が出てきた。僕のこのブログの第一回目の記事と同じ題名だ。
内容としては、ジュニアの大会でのウォームアップがサーブのみということに対する反論と、雨が降りそうなので(実際は降らなかった)ウォームアップはなしにするという判断がなされたことに対するものだった。
テニスの試合というのは、ウォームアップが5分与えられる。その間に相手とラリーをして、サーブ練習をする。しかし、ジュニアの地区大会ではその権利が与えられるのは、かなり勝ち上がったベスト8くらいからだ。しかも今回のように雨が降りそうならなしにされたりする。
そして3セットマッチはベスト4くらいからであり、これも雨などで日程調整が難しくなると8ゲームマッチになったりする。どんな状況でも勝てなければならないと言ってしまえばそれまでだけど、できるだけベストな環境で試合をさせてあげたいし、テニスというスポーツの持つ魅力を存分に味わうためにも、十分なウォームアップと3セットマッチはさせてあげたい。
大会の主催者側の意見や事情は察するに余りある。コートの使用時間は限られているし、『経費』という問題もある。僕が主催者側にまわっても同じような決断をせざるを得ないだろう。でもジュニアの大会はジュニアの将来の為に行われるべきだと思う。
ある言葉が頭に蘇る。先日のカタルーニャ国際賞の授賞式で村上春樹さんが日本の原発問題についてスピーチした時にでた言葉。『我々は、便宜や効率の犬になってはならない』ん~、さすが。。。これ言われたら、日本人のほとんどは敗北だ。。。あとに続く言葉はない。
閑話休題
ガラパゴス化についてもう一つ。競技テニスのスタート年齢がどんどん下がっている。小学一年生から試合に出ている子もいる。そして行われるのはトーナメントだ。負けたら終了。最後に勝つのは一人。。。(せめてリーグ戦にしてほしい。。。)
『小学校時代に勝っていて18歳以下でそのまま勝ち続けている子なんていない』そういうコーチもいる。でも、事はそんなに単純ではないと思う。そういうある種、牧歌的なことを言える時代は終わったのではないかと思う。
小学5年生くらいである程度自分のポジションがわかってしまうというのは、それ以上プレイを続ける芽を摘んでしまうことなのかもしれないと思う。思春期に入る前に、自分のポジションが感覚的に理解できてしまうとそれ以上がんばることは困難なように思う。もちろんその感情を否定できるパワーを持った子もいるけど。
考えてもみてほしい。小学5年生で算数において苦手意識がついてしまうと払拭するのは、結構困難なのではないかな。まあ、算数は勉強だけど、それが大好きなテニスならどうなんだろう?
よほどのテニス環境が整わないかぎり、ゴールデンエイジに必要なテニスのテクニックを身につけながら、しかも結果を残していくことは難しい。ということは、結果を残すには何かを犠牲にして、その『よほどの環境』を手にいれなければならない。。。普通の環境では無理なのだ。(まあ、普通の定義も難しいところだけど)いつの間にこんなに小難しいことになってしまったんだろうと思う。
この流れにはしばらく拍車がかかると思う。別に悪いことかと問われると、なんとも答えにくいんだけど。。。韓国のようなエリート教育よりは、誰にでもチャンスがある環境がある方が理想的だと思うし、野球にしてもサッカーにしても、そんなに複雑な環境を要している訳ではないと思う。
こんなこと書いてると、僕に対して『テニスが好き』とか『優しい』とか言ってくれる人がいるけど、そんなつもりはない。。。ただテニスコーチとして、強い選手がたくさん育つ環境というものに興味があるだけなんだけど。。。
それは、優秀な人材がたくさん生まれる学校教育に興味があるのと同じだと思う。教育もテニスも『便宜や効率の犬』になってはならないんだろうなぁ。。。
おいらは、なってしまってるんだろうなぁ。。。だからこんな風にワンワンと遠吠えしてしまう。。。首輪を外して逃げないと。。。
でもその前に、ぷしゅ!とビール!これがいかんのか。。。笑。
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