自分の力量
こんにちは!
以前と言っても、ずいぶんと以前。
僕が23歳くらいの頃かな。師匠からこう言われたことがある。
『地球上における自分の位置をしっかりと理解することだ。』
かなり含蓄のある言葉であり、時々思い出して、
様々なシチュエーションで役に立ている。
最近できるようになったのは、自分の位置というか能力を正確に理解できるようになったこと。
僕は今、35歳です。肉体的ピークはもう過ぎていて、それに伴う自分自身の最強の時
(悲しいほど強くなかったけど。。。)ももう終わっている。
もちろん、進化したいと思い、練習したり、
走ったりはしているけど、絶対的な練習時間が足りていない。
そのような状況になると、自分のテニスの力量が正確に測れるようになってくる。
これって意外と難しいことなんだなぁと思う。
頑張って練習している時は、
『自分はこんなもんじゃない』とか『相手よりも弱いところだらけだから』とか、
自分の力量を実際よりも下に見立てて、奮起していた感じがある。
(もともとただ返すだけの弱っちいスタイルなので。。。)
でも今では、このショットは通用するなぁとか、
この攻めは『はったり』なら効果があるなぁとか
自分の良い部分も冷静に認められるようになってきた。
これってテニスをゲームとしてプレイするのにかなり役に立つ。
当然、試合にでている時からそのようなことは考えていたけど、
悲観的すぎたり、楽観的すぎたり、希望的観測が入ったりと
正確さにはかなり欠けていと感じている。
トランプに大富豪ってゲームがある。
『2』が一番強いカードで『3』が一番弱いカードなんだけれども、
要するに自分がどんなカードを持っているのか、
冷静に正確に理解できるようになったってことです。
良いカードはないけれど、最高で『8』が2枚ある、みたいな。
練習を頑張っている時には、それが『8』であると認めたくない自分がいて、
『9』や『10』にするために練習している。
だから、正確に判断できていない。でも今の年齢ならそれができるようになった。
おそらく、試合がうまい子は、早くからこの能力に長けているんだと思う。
あまり『がむしゃら』なタイプではないことが多いと思う。
というと語弊があるかな。頭がいいといっておきます。
頭の中でのバランスの取り方がうまい。
その反面、努力家でないタイプの子も含まれます。
自分はこれくらいでいいんだぁって思っている子の中にも、試合がうまい子がいる。
僕の場合、ほとんどが『5』くらいのカード。
一通りなんでもできて、試合もあきらめない。
でも武器がなんにもない。
スペインの午後の練習では
WTAの250位から800位くらの女の子の試合の相手ばかりさせられていた。
ちょうどいい練習試合の相手だったと思う。
そこそこ返してくれて、勝ったり負けたりで。。。
俺がコーチでも俺を指名するな!笑!ちきしょ~!笑!
話を師匠の言葉に戻そう。テニスにおける自分の位置をしっかりと知ること。
各年齢や置かれている立場によっても変わってくるが、
僕が今の年齢でひらめいたのは、自分の力量を正確に把握すること。
まあ、ジュニアの時期にこれは難しいとうか、出来ないくらいの方がいいのかもしれない。
カードの強さを上げていく時期だから。
テニスって面白くて、全部『10』くらいの良いカードが揃っているよりも、
一つだけ『2』があるけど、残りは『4』と『3』ばっかりって選手の方が、
最終的には上の世界に行くことができる。
何を『2』にするかは自由。
目指している世界中の誰相手でも通用するショットがあれば、その世界にいける。
フォアハンドでも、フットワークでもゲームメイクでもなんでもいいと思う。
でも社会的事情もあり、『均一化』の流れは強いみたいだ。
野球の落合監督もそう言っていたし。こちら。
平均してすべての力量を上げながら、最後に武器を見つけていく。
指導も『生き物』だと思う。
周囲の状況によって変わっていく。。。
注目記事
- ヨーロッパのコーチが選手の素質を見抜く時にまず注目するところ
- オレンジボールやグリーンボールはいつまで?
- ジュニアテニスで一気に伸びるために必要な行動
- ジュニアと親を苦しめるポイントシステムを解説!! ジュニアランキングを上げるための複数年計画の年間スケジュールとは。
- 世界中、強くなるジュニアが、テニスの練習でやっていること
- お子様に『お前は足が遅いなぁ〜』とついつい言いたくなる時に参考にしたいオーストラリアンオープンテニスのスピードデータの読み方
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。