強制力!


こんにちは!

先週『スペインテニスというキャラ』という記事を書きました。

その中で、スペインテニスは賛否両論と書きました。

よく比較されるアメリカのテニスには対極にあるとの見解もあり

あまり日本では賛同者は多くはありません。

それは特に指導者の間でです。

一般プレイヤーにはナダルファンは多いですよね。

専門的な領域になればなるほど、スペインテニスには偏りが見られ、

日本人にはフィットしていないように感じるのでしょう。

今日は、その偏りの代表とも言える

まだ今までのスペインドリル紹介では書いていない特徴を書きます。

スペインドリルでは、

実際のラリーにはないと言って良いくらいの頻度で

後ろに下がって打つケースがあります。

というかほぼ一球ごとに前後に動きます。

その時、後ろ足一本で地面を蹴って打ちます。

前足は前に上がる形になります。

体重を後ろ足からボールに伝える感じです。

そしてその時、上体を回してはいけません。

身体が折れて後ろに体重が残ってもいけません。

下の写真のような感じです。

打ってるのは、へたっぴ君(僕自身)なので

細部の不備はゆるしてちょ。笑。

photo:01


これが体重が残り、上体が曲がった悪い例。

photo:02


一応、ボールに向かって体重を移動した例。

これでも上体は回っている方になります。

photo:03


同じくバックの悪い例。

photo:04


バックの悪くない例。。。

こんな打ち方、実際の試合中はほぼしません。

クレーでは、コートの後方に下げられることも多いですから、

たまに登場することもありますけど、

マレーもナダルもこんなに極端にしかも前足が上がってることなんてないと思います。

上体を回さないので、手打ちになります。

上腕の力が強いヨーロッパ人になら向くかもしれませんが、

日本人にはどうでしょうか?打ち方だけでいうとあまりお薦めできないでしょう。

なのでいままでのブログでは紹介しませんでした。

ただ、マレーもモナコも、そしてその時練習していたたくさんの選手が

このコンセプトで練習していたのは事実です。

大相撲の四股を踏むことが、直接は試合中の動きには関係なくとも、

相撲に必要な股関節の動きなどを強化するなど、相撲に必要なもので、

何回も練習で四股を踏むように、

この打ち方は、テニスに役立つものなのかも知れません。

実際にやってみると、ものすごく体力を使います。

疲れます。打つたびに、股関節からボールに力を伝えるメカニズムが

鍛えられているのかもしれません。

推測でしかないですが。。。

反対に、なんの効果もないものかもしれません。

スペインという土地で1日何時間も何年も続けないと効果がでない代物なのかもしれません。

ただ、実際に留学を経験し、アンヘル・ヒメネス氏をはじめ、エミリオ・サンチェス、セルジオ・カサル、

他たくさんのそうそう足るメンバーの指導から

自分より下手なコーチまで(これもたくさん)の指導を受けてみて、

またその人達が他の人に指導しているところを見てきて

言えることは、

日本ほど、そのコンセプトの細部にわたってまで強制力がないということです。

日本なら、コーチの言うフォームをイメージし、

その通り動きそしてマスターすることがある種当たり前です。

コーチも細かく指導し、プレイヤーができなければ、一緒に素振りをし、

そのフォームにする為のトレーニングまでして、理想の形を目指します。

バルセロナの指導では、コンセプトを提示すれば、

ある程度は時間が解決するだろう的な雰囲気もあり、

上の写真の打ち方もそんなにうるさくは言われません。

例えその通りうまくできたとしても、

『それができるよりも、それを最低三ヶ月続けることが大切』なんて言われます。

僕は、コーチ経験もあり、打ち方を真似るのは得意でしたから、

要領よくすぐにできましたけど、要領がいいだけというのも見抜かれていたんでしょうね。

話はそれましたけど、車のブレーキでいうところの『遊び』の部分が、

ひとつひとつのアドバイスに日本よりも存在していると感じました。

それは、アドバイスをする側にも、される側にもです。

日本の方が、アドバイスにかかる強制力が強いように感じます。

それゆえに、科学的でシステマティックなアメリカの考えの方が

安心してチャレンジできるというか、受け入れやすいという側面もあると思います。

錦織選手も伊達選手もアメリカンテニスですし。

日本人という辺境民族の特徴上、色んな国のやり方をキョロキョロと探り、

良いところを吸収しながら、チャレンジしていくのがベストだと考えています。

ただ、ジュニアの育成にはある時期(10歳くらいから)必ず、

クレーコートでのプレイをした方が良いという考え方は万国共通だと思います。

餅は餅屋。

スペインテニスには、テニスに必要なエッセンスがたくさんあることは確実。

指導者として、それをどう見つけ出し、

日本という環境でどのように伝えていくか、

う~ん。。。

勉強あるのみだ。。。

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