サンチェス・カサルアカデミー 統一された練習コンセプト 日本のトッププロの『もっと他の練習はないの?』へのスペイン人コーチの答えとは?


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現在8名のジュニアと1名のコーチの引率でスペイン、バルセロナにあるサンチェス・カサルアカデミーを訪れています。私自身が14年前に1年3ヶ月滞在し選手として修行を積んだ場所でもあります。選手が70名以上いるこのアカデミーには、コーチもたくさんいます。レッスン中、コーチ1人に対して選手は3人以下。どんなに多くても4人です。コートは2〜3面が割り振られます。同じ時間帯に10人ほどのコーチが稼働しています。全てのコーチは練習内容に対して統一されたコンセプトを共有しています。それがこのアカデミーの強みであると言えます。

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アカデミー内で統一されている練習コンセプト

選手は低年齢からプロになるまで、統一されたコンセプトで指導を受けることで迷いなく上達できます。指導コンセプトが統一されているので最短距離で目標に向かって努力できます。ではなぜ練習コンセプトを統一する必要があるのでしょうか?

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コーチ同士は違うことを言いやすい

テニスコーチが3人いれば3通りのアドバイスが生まれることがあります。Aコーチが言うことと、Bコーチの言うことが異なり、それに対して意見を求めたCコーチもさらに違うということはよくあります。これはテニスコーチに関わらず、スポーツトレーナーやお医者さんなど職人さんには共通することではないでしょうか?選手が惑わないように、統一されたコンセプトの教育を受けて理解したコーチのみがここのアカデミーでは働いています。

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選手や保護者はブレやすい

ベテランコーチのようにテニス歴が長くない、選手や保護者の皆さんは、試合で負けた、思うように上手くならないという理由で、

①自分のやっていることを信じられなくなる
②違ったやり方もしてみたくなる

という思考に陥ります。ブレるということは遠回りすること。正しい方向に軌道修正してあげることがコーチの仕事だという意識です。私も15年前に毎日毎日同じ練習ばかりで辟易したことがあります。当時の日本のトッププロ増田健太郎さんも、『もっと違う練習はないの?』と思わずコーチに言ってしまったことがあるそうです。コーチの答えは、『同じことを言い続けるのがコーチの仕事です』というものだったそうです。

コンセプトとは?

どのように攻めるのか?どのように守るのか?と言った戦い方をベースに構築されています。それはスペインドリルに落とし込まれ、ラリー練習に落とし込まれます。ドリル中にボールを出す場所、ボールのスピードなどコンセプトを理解しているコーチとそうでないコーチとでは、全然変わってきます。

Back hand volley!!

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トップがブレていない

今回の滞在中、ヘッドコーチのアンヘルとよく話をしましたが、相変わらずこのコンセプトの維持ということに関して全くブレていません。そして頑固にブレないだけでなく、世界のテニスで起こっている変化を数字として把握した上で、少しの改善を加えています。組織のトップがブレていないというのは何より重要なことだと思います。簡単なようで練習コンセプトを統一するマネイジメントはとても難しいことです。

世界に揉まれよう!!

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