スペイン・アメリカ・日本のテニスについてスペイン伝説級コーチに聞いてみた。アンヘル・ヒメネスインタビュー③
アンヘルコーチにスペイン・アメリカ・日本の特徴について聞いてみました。
ガブリエラ・サバチーニ、アランチャ・サンチェス、メアリー・ピアース、スベトラーナ・クズネツォワ、4人の世界1位やグランドスラムタイトルをサポートし、61歳になった今もオンコートで活躍するアンヘル・ヒメネスコーチにインタビューをしてきました。
スペインのテニスの特徴を教えてください。
スペイン人選手が他の国の選手と違うところは、
①テニスのことをよく理解していて、ミスが少なくいつも自分の実力を発揮できる
②生活のためにテニスを選択し、自分にはテニスしかないという気持ちが強いです。とてもハングリーな選手ばかり。
③高いレベルで緊張感のある試合が毎日できる強いメンタルを持ってる
以上のことがあげられると思います。
小さい頃から競争することに慣れています。大会のレベルがとても高いので、スペイン国内の大会で優勝すれば世界で戦うレベルに達することができることも大きな特徴であると言えます。
スペインはナダルの世代が抜けてしまうと、トップ100位にいる選手が減ってしまいます。原因はどんなことだと思いますか?
トップ100の選手は、24歳までに100位以内に入ってきます。たまに10代でトップ50にいる選手がいますが、例外です。今スペインにそのような例外的な強さの選手はいませんが、その他の強い選手はたくさんいます。心配はしていません。
アメリカのテニスの特徴についてどのように思われますか?
アメリカには、システムが足らないと思います。良い選手がたくさんいますし、施設も充実しています。ですが確立されたシステムがないように思えます。それに対してスペインテニスには伝統があります。ブレないコンセプトとハングリー精神、そして高いレベルの大会がたくさんあります。アメリカにもコンセプトの重要性をアピールしていこうと、フロリダにアカデミーを作りました。
日本人選手の可能性について教えてください。
日本人のテニスはとても正確です。錦織選手のような子供達の憧れになる選手がもっと出るようになるといいです。テニスをする子供達が増えると思います。人が多くなると競争が起きてさらにレベルが上がると思います。それと良い競争をたくさんするために、レッドクレーのコートがあるといいと思います。そしてテニスの技術もとても大切ですが、スポーツ選手としての身体作りも大切にした方がいいと思います。いい身体を持つことができれば、錦織選手のように速くそして深いボールを打つ良い選手に成ることができると思います。そしてテニスを始める年齢が早ければ早いほど良いと思います。テニスをよくするには時間が必要です。速く始めて時間がたくさんある方が良いと思います。
まとめ
伝統という言葉を使えるくらい、自国スペインのテニスに自信を持っています。私が滞在していた15年前にもアンヘルとはよくコミュニケーションをとっていますが、とにかくブレません。スペインがブレないのか?それとも彼がブレないのか?私はテニスアカデミーを作るのは人であり、人が全てだと思っています。彼の言うシステムを作っているのも伝統ではなく、伝統を大切にしている人だと思ってます。彼の存在はスペインのテニス界にとってとても重要だと思います。
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