10歳で守り重視か攻め重視か決めるべき?
ライン@楽しんでます。色んな質問がきますね。フェイスブックにライン@にSNSは楽しいです。面白い質問が来たので答えたいと思います。
質問
あるお父さんが10歳の娘さんに練習中に気をつけていることを尋ねたところ、
①ドロップショットが好きな選手に対しては絶えず警戒している
②後ろからでも強いボールを打ってくる選手に対しては、下がって対応する
など、自分が攻められたらどうするかという話ばかりで、自分から攻める時の話が出てこなかったことが心配だったようです。守りが好きなら守り重視のテニスを練習した方が良いのでしょうか?という質問でした。
まず第一に女の子は『〜されたくない願望』が非常に強い
これまでたくさんの女子選手を指導させていただきましたが、その経験から言うと、女子選手は『〜されたくない』という意識が男子よりもかなり強いです。
①先に横に振られたくない。
②決められたくない。
などという考えが強く働きます。例えば、コート1面を使ってコーチのボール出しからポイント練習をしてみるとよくわかります。男子同士だと最初の1球・2球は、ゆっくりなボールで遊ぶことができます。自分が攻められても御構いなしです。対して女子選手は初球からエースを狙いにいくような展開になることが多いです。『先に攻められたくない』という意識が強く働くのが原因です。結果として見ていて面白い展開になるのは男子選手の方になります。女子は淡白なラリーになりがちです。
今回の発言の内容で、その選手が守備的か攻撃的かは一概に判断できない
ですから、攻められたらどうするかという話ばかり出てくるのは、まず女子だからということが言えると思います。されたくないことで頭がいっぱいなんです。ですが、そのことと守備的にプレイすることは直結しません。先のポイント練習の例のように、されたくないことが多いからこそ、先に攻めてしまうということもあり得るからです。
メンタルは技術から、技術はメンタルから
強気なメンタルの持ち主だからこそ、良いボールを打つ優れた技術を持っているとも言えますし、逆に良い技術を体得したからこそ強気に戦えるとも言えます。攻めるというのは速いボールを打つことだけではありません。女子はその傾向が強いですが、ボールが速くなくても相手を追い込んでいくスタイルの選手はたくさんいます。フォアでは追い込めないけど、バックのストレートは速いというタイプの選手は多いです。この女の子が小4という年齢から考えても、今はまだ守り重視にするの早いというのが私の意見です。
性格も考慮してあげる
ただ、聞いた範囲で想像した彼女の性格を考えると、ポイント練習などで強気に攻めろ!とアドバイスしても難しいと思います。攻撃のパターン練習をボール出しなどで、反復練習してから、ポイント練習で使うようにしてあげるのがベストだと思います。技術がつけば、強気なメンタルが後からついてくる場合は往々にしてあります。守備的なテニスをする選手は内に秘めた闘志がある場合が多いですから、攻めのパターンを身体で覚えられたら、強気に使っていくと思います。攻め重視・守り重視と決めるのはU14の終わりくらいからでいいと思います。
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