スペインのコーチに学ぶ、指摘する所、しない所。


選手の自尊心を傷つけない

スペインのコーチは指導熱心です。ですが、指摘する所としない所がはっきりしています。私が感心するのは、選手の立場に立って、選手の自尊心を傷つけないようにしている所です。コーチのアドバイスは、指摘する内容によって本質的なメッセージ性に違いが生まれます。

①君はそれくらいのレベルの選手なんだ
②将来の君に必要なことはこういうことなんだ

ちょっとした指摘の仕方の違いで選手の受け取り方は、大きく変わってきます。

①君はそれくらいのレベルの選手なんだ

『なぜこんなミスをするんだ!』
『そんな打ち方ではボールは入らない。』

ジュニアに対してこのようなアドバイスをしてしまうと、選手は自信を失くします。テニスの上達には時間がかかります。逆説的に言えば、練習すればある程度までは誰でも上手くなれます。練習量が足りていない選手に、ミスばかり指摘しては自分の才能に疑いを持ってしまうようになります。選手は、『君はそれくらいのレベルの選手なんだよ』そう言われている気分になります。

②将来の君に必要なことはこういうことなんだ

『深く狙うことを忘れてはならない』
『短いボールは必ず前に入って打とう!』

このようにコンセプトを指導されると、やることが明確になります。テニスが上手くなるには時間がかかります。1万時間の法則ではないですが、打った球数だけコントロール力がついてミスが減ります。その時に、勝つ選手になれるのかどうか、その差を分けることをコンコンと指導するのがスペイン流です。このケースでは、自分の将来に期待されているような気分になります。

自分の能力を信じる力は大切

この本質的な差は、とても大きな違いを生み出します。自分の能力を信じる力を持ち続けることはとても大切です。最終的に努力し続けられるかどうかは、そのあたりに差が出ます。自分を信じられない選手は、努力し続けることはできません。選手の可能性を信じて、将来に期待しているというメッセージを選手に伝えなければなりません。選手目線に立った声かけの重要性をスペインのコーチから学んだ気がします。

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