復活ナダルの真似したいところ、しない方がいいところ。
走って拾って打ちまくる。そんな姿が本当に絵になる強いナダル選手が帰ってきました。昨日のラオニッチ戦は、見ているファンを本当に楽しませたのではないでしょうか?エンターテイメントとして見るには、せめて第4セットまで行って欲しかったですが、ナダル選手の活躍が見たいファンにはとても良い試合になったと思います。
実は指導者としては少し困った選手
スペインテニスを代表するレジェンド選手であるナダル選手。彼に憧れるジュニアはたくさんいますが、指導者としては、少し困った選手でもあります。良い子は真似しないでね。というポイントがいくつかあるからです。今日はナダル選手の真似をして欲しいところと、真似をして欲しくないところを書いてみようと思います。
戦う姿勢・メンタル・ルーティーン
まず真似して欲しいところから。諦めずにボールを追いかける姿勢や、どんなボールも全力で打つ姿勢は素晴らしいです。全てのポイントに集中して全力でプレイします。集中するために行っているルーティーンは、メンタルの授業などでもよく使われています。この辺のポイントは本当に真似して欲しいところです。
スピンの量・ゲームプラン
そして真似して欲しくないところ。なぜそう思うかというと、真似をしても日本人である我々は、あまりうまく勝利に結びつかないからです。
まず第一に挙げられるのが、スピンの量で相手に対してプレッシャーをかけること。回転をかけることは大切ですが、その球威のみで相手を翻弄することは日本人には難しいです。こればっかりは本場のヨーロッパの選手のスピンの量を生で体感しないとわからないのですが、筋力の差が大きいと感じます。日本人vs欧米人・日本人vs日本人のどちらのケースでもスピンの量で相手を翻弄しようとするのは得策とは言えません。オムニコートで薄い当たりを使ってミスをひたすら待つケースでは良いかもしれませんが。。。
そしてあの走って拾うことで相手にプレッシャーをかけるスタイルもあまりオススメできません。最近のスピード化に合わせてベースラインから下がらずにプレイするようになりましたが、全盛期はもう少し後で相手の攻撃を受けきるスタイルでした。(上の動画がそれです。2007年。もうすぐ10年です。)身体の大きさとスピンの量でカバーしていますが、日本人はもう少し自分から相手を崩していくパターンを主軸にしないと厳しいと思います。日本人は脳みそに汗をかく脳内ナダルスタイルが必要なのかなと思います。
ナダル選手のあの魅力は、力強い肉体に支えられています。あの戦い方、あのメンタルの持って生き方は、この肉体ありきです。日本人にはもう少しほかの工夫が必要になると思います。脳内ナダルを目指しましょう!
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