大坂なおみ選手のジュニア時代の戦績からわかる、しっかりと負けるスケジューリングの重要性!!
約1年前、2016年のオーストラリアンオープンで本戦3回戦まで進み大坂なおみ選手。そのジュニア時代の試合の結果を調べてみました。ジュニアITFには出ているデータがありませんでした。 ジュニアITFには出ずにいきなり一般のITFにチャレンジしています。アメリカにはUSTAの大会が充実していますから、ジュニアの大会は国内の大会に出て力をつけ、一般に挑戦したのでしょう。女子の大会は賞金総額でレベルを表します。1万ドル〜10万ドルまであり、その上がinterやpremierと呼ばれるレベルになります。テレビで見るような選手は、inter以上のレベルで戦っていると思ってください。大坂選手は1997年10月生まれです。年齢表記・日本人と比較しやすい学年表記はその年の10月時点(年齢)、4月時点(学年)の数値とします。
2011年 14歳・中学2年生・・・1大会出場
1万ドル・・・1大会
予選落ち・・・1大会
2012年 15歳・中学3年生・・・10大会出場
1万ドル・・・5大会
2.5万ドル・・・5大会
予選落ち・・・7大会
WC・・・3大会
*本戦ワイルドカードを2本もらってSFが1回
2013年 16歳・高校1年生・・・17大会出場
1万ドル・・・1大会
2.5万ドル・・・10大会
5万ドル・・・4大会
inter・・・1大会
premier・・・1大会
予選落ち・・・7大会
WC・・・1大会
*2.5万ドルで準優勝1回
2014 17歳・高校2年生・・・15大会出場
2.5万ドル・・・4大会
5万ドル・・・5大会
7.5万ドル・・・1大会
10万ドル・・・1大会
inter・・・2大会
premier・・・2大会
予選落ち・・・7大会
WC・・・4大会
*2.5万ドルで2大会連続予選落ちの後、10万ドルで予選突破!
2015 18歳・高校3年生・・・18大会出場
2.5万ドル・・・2大会
5万ドル・・・5大会
7.5万ドル・・・2大会
10万ドル・・・2大会
inter・・・3大会
premier・・・3大会
GS・・・2大会
予選落ち・・・7大会
WC・・・1大会
*グランドスラム予選出場、5万ドル・7.5万ドルで準優勝!
2016 全豪で3回戦進出!! 1月なので日本の学年では高校3年生
interで2回戦進出!
premierで予選負け
*オーストラリアンオープンで予選突破し、本戦でも3回戦へ!!
まとめ 好成績を残せるのは9%
2012年から4年間、年間の予選落ちが7大会です。出場している試合のレベルは年々上がってますから、上のレベルを目指して戦うステージをあげて行っていることがデータからわかります。予選落ちが減って本戦出場ばかりになるよりも、上のレベルにチャレンジして行っています。そして*の所にその年の好成績を書きました。年間の好成績はだいたい1大会か2大会です。大会数に対する好成績大会をパーセンテージにすると約9%。それに対して予選負けは約40%です。予選負け7大会に対して、好成績1大会。このペースで成長すれば十分ステップアップしていけるということです。
年間7大会、40%、しっかりと負けるスケジューリングを!!
日本の環境で意外と難しいのが、負ける経験です。レベルが高い大会。自分にとって背伸びをしなければならない大会に出続けることが難しいのです。気がつくと、いつも同じメンバーで戦い、同じメンバーで優劣をつけるようなマンネリ状態になりやすいです。背伸びして負けているうちにその環境が当たり前になってきますから、年間7大会にしっかり負けるスケジューリングを目指したいですが、現状は結構難しいと思います。カテゴリーを変えられない、地域を超えたエントリーができない、大会のグレードが選択できないなど、まだまだ不自由な点は多いですが、ITF大会は世界中オープンに行われていますので、色々と考えて年間のスケジューリングができれば良いと思います。強くなる選手ほど環境のせいにしないですから、今ある環境でしっかりスケジューリングしてあげたいですね。
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