お子様に『お前は足が遅いなぁ〜』とついつい言いたくなる時に参考にしたいオーストラリアンオープンテニスのスピードデータの読み方
オーストラリアンオープンのフェイスブックページで、テニス選手の足の速さをデータ化していました。時速表示なので、テニス選手トップのジョコビッチ選手で時速37キロということです。
データ元はこの動画です。
Is the fastest mover at the #AusOpen quicker than Usain Bolt? 🏃More: http://bit.ly/2ginXzh
Australian Openさんの投稿 2016年11月25日
動画の中で
we have measured players peak speeds over a minimum distance of three meters (私たちは3メートルという最小距離でプレーヤーのピークスピードを測定しました)
と言ってます。
オーストラリアンオープンのデータみたいですが、ヒューイット選手が入っているところを見ると
かなり前のデータまで調べたのでしょうか?
それとも自国のレジェンド選手だから?
そして
それぞれの全盛期を調べたのか?
出場全選手のデータなのかトップ10選手など的を絞って計測したのか?
余裕がない時の3メートルのディフェンス時のタイムなのか?
ランダムに前後左右の移動のタイムの平均値なのか?
など測定条件に疑問は出ます(テニスの動きは前提条件の統一が難しい)が、世界ランク1・2位がそのままトップ2なので、興味深いデータではあります。ここだけ見ると、『はぁ、うちは両親ともに足が遅かったから我が子は無理かなぁ。。。』なんて落ち込んでしまうかもしれません。
安心しましょう。ナダルとフェデラーはそれほど上位ではない。
ナダル選手とフェデラー選手は12位と17位、2人の全盛期のスピードなのか最近のデータなのかはわかりませんが、ナダル選手は時速26.8キロでジョコビッチ選手と時速9.2キロの差があります。このデータは3メートルの測定距離なので、ジョコビッチ選手は3メートルを0.29秒、ナダル選手は0.40秒。0.11秒の差があるわけです。この差がテニスの結果の差に大きな差をつけるのかどうなのか、このデータだけではなんとも言えませんよね。だってナダル選手もめちゃくちゃ強いわけですから。
フェデラー選手の時速26.0キロで50メートルを走ると、6.92秒です。(加速を考えないとということになります。)この数字より速かったお父さんは山ほどいるでしょう。でもフェデラー選手はテニス史上最強と言われています。ということは、テニスには足の速さだけでは語れない要素がたくさんあると言えます。
やり方は沢山ある。
速さには他にも、ボールの速さ・タイミングの速さがあります。また遅さも大切で、ナダル選手のように速いボールを打たずにゲームを組み立てるということでカバーしている選手もいます。速く打たなかったら、速く返ってこないわけですから。
トレーニングは大切で、少しでも速く走れるようになった方がいいのは言うまでもありません。だからといって、『足が遅いからダメなんだ』的な評価をしてしまうのは良くないです。足が速くなるように努力しつつ、テニスを多面的に見て、今の足の速さで勝てる方法をたくさん考えた方がいいと思います。足を速くするよりも効率的で生産的な方法がたくさんあります。それが球技の面白さですよね。
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