その場で解決策を考えられる選手になるために。。。
日本人は自分を極めていくことが得意。型にはめ、型を学ぶことが好き
これまでたくさんの日本人テニス選手を指導し、また自分でもテニスを頑張ってきましたが、日本人の特徴は、自分の中に入って、自分のスタイルや型を突き詰めていくことが好きな傾向にあると思います。これが悪いということではなく、日本人の嗜好性だと思います。そういう努力の仕方が好き。私もそうでした。
反面、相手とのやりとりで自分の出方を変えることが苦手。
その反面、相手とのやりとりの中で、自分の上回るところを見つけて、自分の得意なところと相手の苦手なところをぶつけ合うような形に持って行くということが苦手な気がします。自分のスタイルにこだわりすぎて(それも悪いことではない)、最後は気持ちで上回るしかないという思考になりがちです。これまた私もそうでした。
自分のスタイルを磨き上げることは大切。でも負けてもいいから貫き通すに美学を感じすぎるのは勝負の世界ではちょっと違う
最後は気持ちで上回るしかないという思考はとても大切です。ですが、ヨーロッパの強い選手は、その前にもうひと工夫ができます。文化的にも日本と違って、周りと同じことを嫌うので(国によって違いますが)、テニスのスタイルも千差万別。低年齢の頃から、国境を越えてプレイし、色んなキャラと戦っている選手は、多彩さに対する対応力が違います。もともと多彩さやそれに対する対応力が優れている上に、クレーコートでの基本コンセプトをしっかり学んでいるので彼らは強いというのが僕の主張です。そしてクレーコートでの基本コンセプトは、日本でも学べないことはないですが、多彩さとそれに対する対応力だけは、それが行なわれているヨーロッパで経験して学んでいくしかないと考えています。結局誰かと比べたり、競わないとアイディアが出てこないですし、アイディアを考え出すという思考が身につかないことには始まりません。
でも国内の練習だけでもなんとかしたい
でもそうやすやすと海外に行けないので国内だけでもなんとかしたい。どうすれば多彩さは身につくのか?自由にさせていれば身につくのか?私の答えは、自由さの中にほんの少しを規制を入れてあげる。です。全く自由ではアイディアは出てきにくい、そしてガチガチでは当然出てこない。自由さの中にほんの少しのシチュエーションを入れてあげることでアイディアは出てきます。
結果として
①バックばかり狙われる
②フォアを打ちたい
③バックのストレートを打つ
④フォアが打てる
実際の思考はこんなに言葉にしやすいものではありませんが、こんなことが無数に、頭の中でどんどんひらめく選手になってほしい。
①バックばかり狙われて負けた
②バックを練習しなければいけない
こういう思考はもちろん大切です。でもそれでは、いつまでたってもその場で解決策を見いだせる選手にはなれません。箱根キャンプではこのあたりを百戦錬磨のエスパルシアコーチとともに子供達に伝えていけたらと思います。
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