お父さんが娘さんにアドバイスするときに注意すること
日常生活はもちろんのこと、スポーツについて考える時でも男女には違いがあります。男性の考え方と女性の考え方は、結論は同じでもその思考の道筋は異なります。男性がアドバイスする時は、ついつい男の脳に気持ちがいい思考回路で伝えてしまいます。そうすると当たり前のことでも女の子には伝わらなかったりします。今日は私の21年のジュニア育成経験からお話しします。
論理は通じない
男の人は、なぜこの練習が必要なのか?この点を気をつけることでどのような効果がるのか?ということを論理的に伝えることが好きです。好きというか気持ち良く感じます。そしてそのように論理的に説明されると、逃げ場がないので信用して取り組みます。ですが女の子にはその方法はなかなか通用しません。論理的な説明は、『回りくどく言われている』ようにしか聞こえないことが多いです。
信頼されると結論だけでOK!
女の子には、結論だけ言ってあげるのがベターです。『テイクバックはこのようにする。』これだけで十分です。なぜそうするのか?は必要ありません。選手がお父さんのことを信頼していれば熱心に取り組んでくれます。信頼していなければ取り組みません。そして信頼を得るために論理的に説明しようとしても全く逆効果になります。
私の体験談
私の経験です。ある女子選手。大阪でトップクラスにいましたが少し伸び悩んでいました。試合中、ラリー開始後、すぐにコーナーを狙って打ち込んでしまうので、アベレージの高いテニスをする選手と戦うと相手の術中にハマってしまい、エースとミスを量産し最終的に負けるパターンが多い選手でした。コートの内側に打つこと。エースもミスも両方減らすことなどいくら数字を使って説明してもわかってもらえませんでした。エースを増やすことしか頭にありません。それでは対戦相手は絶対に嫌がってくれません。幸いにも私は信頼されている方だったので、バルセロナのクレーコートでの遠征に参加してもらいました。そこでクレーの戦術を体験し、帰国直後の大会で好成績を残したことで、私の意図を理解してもらえました。その後1年は成績はうなぎのぼりでした。
女子選手の特徴
プラモデルを組み立てるような、男の組み立て脳ではあまりうまくいきません。逆に心が整えられると、ものすごい力を発揮します。そもそもテニスクラブの仕組みやレッスンの仕組みも男が作ったものです。女子選手はどこか居心地が悪い部分があると思います。男の脳味噌が、うまくいった!と気持ち良さを感じている時は、女子選手は理解できていないのでは?と考え直してみるといいかもしれません。中には女子を教えるために生まれてきたんじゃないか?と思わせる天才男性指導者もいますけどね。もちろん女子選手の中にも論理的に教えてもらう方が好きな選手もいます。
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