バルセロナトレーナー研修を終えた2人のトレーナーにインタビュー!!
5月22日〜29日の期間で、スポーツトレーナーの海外研修を行いました。今回は、この海外研修に参加した山田さんと東さんの2人に、バルセロナで経験したことについてインタビューしました。
研修の内容
バルセロナにあるテニス、サッカー、フットサル、バスケットボール、ハンドボールの指導施設やそれらに併設された治療施設を見学し、そこで活動するスポーツトレーナーや理学療法士、医師の方々から講義を受けました。諸事情で訪れた施設の全てを書けない某有名チームの施設をはじめ、ナダルの元主治医が経営する治療院やサンチェス・カサルテニスアカデミー、そして現地でサッカー、バスケ、テニスのクラブチームの試合も見学しました。
同じくiPadを見ながら答えてくれた東トレーナー(右)
ではインタビュースタートです。
今回の海外研修で吸収できたのはどんなことですか?
東:サッカーのシステムがとても勉強になりました。現場での指導だけでなく、組織的なお金の動きなども含めて総合的に理解できました。日本と違って、スポーツトレーナーにしっかりとした立場というかポジションがあることに感心しました。
山田:メンタルトレーナーにも活躍の場を作っていました。活躍の場を作って、お給料を支払い、そこに価値を作っているとこがすごいです。チームの活動にスポンサーがついているケースがほとんどなので、スポーツトレーナーや監督という仕事に、お給料が発生しやすい仕組みがあります。反面、成果が出ないと、変更が頻繁にあるのも特徴の一つだと感じました。
東:スペインは、日本よりもスポーツが根付いていると感じました。そして経営も含めた運営システムを、いつも良い方向に変えていこうとしているところに注目しました。テニスもサッカーも強国なので、システムが確立していると思っていましたが、毎年変更を求めて改善しようとしているところはすごいです。
山田:あと物の考え方の違いも勉強になりました。日本ではまだまだ根性論が美化されます。ですが、こちらでは、怪我はダメなこと。根本的にケガへの意識がとても高いと感じました。
今後、今回の経験をどのように生かして行きたいですか?
山田:初めて海外を経験できたので、今後は、選手の引率をして海外を経験させてあげたいです。
東:子供達の視野を広げられるように、海外で起っている正しい情報を正確に伝えてあげたいです。世界を目指す上で必要なことだと思うので。
山田:日本のジュニアへのサポート体制をもっと充実させたいです。
東:そうですね、強くて海外で活躍できる選手を育成したいです。
忘れられない経験はありましたか?
山田:通訳をしていただいた奈良坂さんには、本当にお世話になりました。通訳以外にも、スペインのスポーツ業界に詳しく、移動中にたくさんのことを教えていただきました。
東:多くのスポーツ関係の仕事の方の、職場が流動的であることに驚きました。もっと固定化されていると思っていました。
現地で撮った映像をiPadで見ながら答えてくれた山田トレーナー(左)
行って良かったな思うことはどんなことですか?
東:日本では会えない、すごい人にたくさん出会えて講義をしてもらったことです。それから海外の選手の練習を見れたことも貴重な経験でした。パワーが違うとか日本では言われていますが、生で見るとそれだけではない違いをたくさん知ることができました。
山田:海外の環境に触れられたことです。まず環境があって、コーチ、トレーナーが存在します。日本とはまた違った良さがある環境があるからこそ、コーチもトレーナーも、日本とは違う良さが生まれてくることがわかりました。
まとめ
トレーニング技術や医療技術は、国が変わってもそれほど違いはありません。ただ環境が変わることで、その使い方が変わります。スペインではウォーミングアップからミニゲームをすることが多く、実際のゲームの状況を練習に取り入れようとします。選手も楽しい雰囲気を好みます。
私は、日本人の繊細な感覚は、スポーツトレーナーとして海外で活躍できるアドバンテージになると思っています。今回の経験では、海外を知ることで、海外から学び、そして日本の良さも学ぶことができたと思います。彼らが国際人として世界の舞台で活躍できるようにこれからもお手伝いしていきたと思います。
注目記事
- ヨーロッパのコーチが選手の素質を見抜く時にまず注目するところ
- オレンジボールやグリーンボールはいつまで?
- ジュニアテニスで一気に伸びるために必要な行動
- ジュニアと親を苦しめるポイントシステムを解説!! ジュニアランキングを上げるための複数年計画の年間スケジュールとは。
- 世界中、強くなるジュニアが、テニスの練習でやっていること
- お子様に『お前は足が遅いなぁ〜』とついつい言いたくなる時に参考にしたいオーストラリアンオープンテニスのスピードデータの読み方