お子様が、10月〜12月生まれのお父さん・お母さん必見!生まれた月でどんな差ができるのか?大切なのは環境ではなく勝てる環境?
ジュニアテニスのカテゴリーは1月を区切りにしています。過去に早生まれの選手がどれくらい有利なのか?という記事を3つほど書きました。1月〜3月生まれの選手は発育面から考えて有利だという風に考えられていて、この3つの過去記事で取り上げているように、データにも現れています。今日お伝えしたいのは、発育面だけでなく、勝てる環境があることが選手に取って良いスパイラルに乗るきっかけになっているということです。
今回取り上げるデータ
生まれた月によって、身体の発育が違うことのみが、選手の強さに関係するのであれば、ある年の10〜12月生まれの選手達は、その次の年の1〜3月生まれの選手達よりも強いはずです。今回使用したデータは、過去記事にある、今年の2月時点のITFジュニアランキングトップ500人の人数分布です。男女共に、1999年10月〜12月:2000年1月〜3月の人数を比べてみました。
1999年10月〜12月:2000年1月〜3月
男子・・・34:62(人)
女子・・・31:59(人)
というデータになり、なんと翌年の1月〜3月生まれの選手の方が倍近く多いんです。発育は、1999年10月〜12月のジュニアの方が良いはずなのに、人数は半分しかいないというデータです。
野球やサッカー
そして野球やサッカーの指導者と話をしていると、共通して、同じ感想を持っています。野球やサッカーは学年で区切るので、ある学年の1月〜3月生まれの選手よりも、その次の年の4月〜6月生まれの選手の方がパフォーマンスが良いことが多いそうです。
野球やサッカーは高校卒業でプロになる場合、その影響がそのまま継続されます。下の記事でもわかるように1月〜3月生まれの高卒プロはかなり少ないのです。ただ大卒や社会人野球を経験してからのプロになると、生まれつきによる差はなくなるそうです。
環境
テニスは、トーナメントスポーツです。勝てば勝つほど、強い選手との対戦があり良い経験ができます。また野球やサッカーには、レギュラーとサブの選手に分かれます。生まれ月が早い選手の方が、良い経験ができ、パフォーマンスアップに好影響が出ているということが、データの行間を読むことで言えると思います。
他にも
生まれ月だけでなく、身体の発育スピードにも±3〜±2の個体差があると言われますし、パーセント成人身長(将来の身長の何%になっているか)が高い方がパフォーマンスが高いなど、低年齢時にはある種の不公平を生み出す要素がたくさんあります。
有利
生まれ月が早く、早熟であれば有利になるのが低年齢の競技ジュニアテニスです。勝てないのを環境のせいにするな!と言われた世代ですが、その環境を科学的に整理して、お子様の結果に真摯に向き合うことが求められます。子供達には、色々な刺激を与えることが必要です。優勝できる試合も必要だし、ボロ負けする経験も必要です。いつも同じカテゴリーで、発育的に有利であっても不利であっても同じような環境ばかりで試合することは、総合的なパフォーマンスを上げるためにはマイナスです。
ヨーロッパ
大会がたくさんあり、国境を越え、カテゴリーを越えて、自ら選択してトライできるヨーロッパと違って日本では選択肢が限られます。ですが知恵を絞れば、お子様にとって良い環境・良いスケジュールを作ることは可能だと思います。
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