全豪オープン優勝のフェデラー選手から学ぶ、ジュニア選手がテニスで強くなるために必要なこと
30歳以上のトップ100選手はどれくらいのペースで増えているのか?
全豪オープンテニスの男子優勝は、36歳のロジャー・フェデラー選手でした。ひと昔前までは、30歳を超えるとかなりキツい印象でしたが、選手寿命が延びています。2018年からさかのぼって、10年ごとの男子世界ランクトップ100を年齢別にカウントしてみました。30歳以上を赤字にしてあります。
2018年1月15日時点の男子トップ100位の年齢の内訳
35歳以上 ・・・8人 最年長38歳
34歳〜30歳・・・35人
29歳〜25歳・・・37人
24歳〜20歳・・・17人
19歳〜 ・・・3人
2008年1月14日時点の男子トップ100位の年齢の内訳
35歳以上 ・・・2人 最年長歳35歳
34歳〜30歳・・・13人
29歳〜25歳・・・47人
24歳〜20歳・・・33人
19歳〜 ・・・5人
1998年1月12日時点の男子トップ100位の年齢の内訳
35歳以上 ・・・0人 最年長32歳
34歳〜30歳・・・7人
29歳〜25歳・・・45人
24歳〜20歳・・・47人
19歳〜 ・・・1人
1988年1月11日時点の男子トップ100位の年齢の内訳
35歳以上 ・・・2人 最年長35歳
34歳〜30歳・・・2人
29歳〜25歳・・・26人
24歳〜20歳・・・65人
19歳〜 ・・・5人
1978年1月16日時点の男子トップ100位の年齢の内訳
35歳以上 ・・・7人 最年長43歳
34歳〜30歳・・・23人
29歳〜25歳・・・39人
24歳〜20歳・・・30人
19歳〜 ・・・1人
1978年は、まだ木のラケットの時代で、それほどスピード化されていないからか、30歳以上の選手が30人もいます。また最年長は43歳です。ローズウォール選手といって、私もプレイはYouTubeでしか見たことありませんが、バックのスライスが上手いレジェンド選手です。その後、テニスは道具の進化もあり、どんどんスピード化され、若い選手の方が有利になっていくのがデータからわかります。1998年時点では30歳以上の選手は30人→4人になってしまいます。その30年後スポーツ科学の発達のおかげなのか、30歳以上の選手は増えてきています。
10年前と比べて30歳以上の選手は3倍に
30歳以上の選手の数は、1998年以降、10年おきに
4人→7人→15人→43人
という風に増え続けています。特にこの10年では、3倍に増えています。原因として考えられるのは、
①科学によるフィジカルの向上
②フィジカルに頼らない戦術の向上
③経験が活かせる
です。
①科学によるフィジカルの向上
選手の身体のケアを行うスペシャリストの需要が増えました。1人の選手に対して複数人でチームを組んでケアに当たっています。専門スタッフの功績は大きいと感じます。
②フィジカルに頼らない戦術の向上
若い頃のように動き回れない分、頭を使って、運動量を調節しながら戦う術を身につけています。無駄にコート後方に下がらず、最低限の運動量でコートカバーができるようにしています。それには熟練の技術が必要です。
③経験が活かせる
勝負所で良いプレイをするには、経験が物を言います。フェデラーやナダルは2008年の時点でもトップ選手でした。豊富な経験を持ちながら、若い時の身体に近い肉体を維持するという、理想を実現させています。
フェデラー選手から学べること
大切なことは、良いプレイから効率的に学んでいくことだと思います。効率的に学ぶという表現は好きではないですが、真似できるところは真似て、盗めるところは盗んで欲しいと思います。例えば、
・休むときは休む
・できるだけ前でプレイして走る距離を減らす
・無駄な力みを減らす
などです。
・休むときは休む
フェデラーは昨年、苦手で身体に負担が大きいクレーシーズンはスキップしました。そうすることで体力を温存し、ウインブルドンで優勝しています。
・できるだけ前でプレイして走る距離を減らす
ベースライン後方で拾いまくるテニスも魅力的ですが、同時進行で、下がらないテニスも練習しておいた方がいいと思います。下がらないテニスは、技術的にも難しく、すぐに勝利に結びつきません。ですが、そのエッセンスを少しずつ吸収しておくことで、将来のプレイに役立つでしょう。
・無駄な力みを減らす
無駄な力みは怪我につながります。また効果的な運動連鎖でしなやかなラケットワークで打たれたボールは、重く伸びやかなボールになります。いきなり無駄な力みをゼロにすると、ミスするでしょうから、少しずつ参考にしていくといいと思います。
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