2018全仏オープンジュニア観戦で学んだことPart3 攻撃力の次に必要なもの
2018年6月5日〜10日まで、パリ・ローランギロスで開催されていた全仏オープンを視察&観戦してきました。スザンヌ・ランランやフィリップ・シャトリエなどのメインスタジアムのチケットは高いので回避。20ユーロのグランドチケットで朝から夕方まで1日中、ジュニアの部を中心に勉強してきました。グランドスラムジュニアのレベルまでくれば、攻められるのは当たり前です。全員攻撃力があり、相手の弱いボールを引き出せれば、ポイントにつなげることができます。当たり前のように高い攻撃力のある選手はどのような課題を持ってコートに立っているのでしょうか?
男子はディフェンス力
ジュニア選手とはいえ、男子選手のフィジカルレベルは高いです。攻めるだけでなく、ディフェンス力が鍵を握ります。まして3セットマッチですから、3時間経っても走り続けられる体力が求められます。一般の部の5セットマッチだと4時間を超えてきますから、途方もない体力です。
女子は攻め切る
女子もディフェンス力は必要ですが、男子に比べると、先に攻めきることが求められます。ボールの力と脚力とのバランスで言うと、男子と比べるとボールの力の方が上回るのかなという印象です。
戦術眼とメンタル
男子に関しては、相手に攻めさせて体力を奪う時間帯を作ったり、全ての体力を使ってでも奪いに行くポイントがあったりと、駆け引きがあります。ディフェンスが強く、体力にも自信がある選手は、まずは相手の出方をしっかり見て、相手に全ての技・力を出させてから、自分の力を出して行くというような戦い方もしてきます。女子は、とにかく気持ちを強く持って、引かずに怯まずに、攻めて行く姿勢が求められているように感じました。
良いカード
もちろん男女で綺麗に2分割できることではなく、グラデーション的に分布します。女子でもコーチのスタイルや、持って生まれた能力を生かすにはディフェンス重視になることもありますし、逆も言えます。現在この全仏ジュニアに出ている選手のほとんどは、小さい頃からテニス に投資してきた選手ばかり。攻撃はできて当たり前です。ただ自分の攻撃の形を出すまでに、何枚も良いカードを切って行かなくてはなりません。ハイレベルなラリーのやり取りの中で、そのカードのレベルアップと使い方を学んでいるように見えました。
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