僕が体験したスペインテニスの強さの奥深さについて書いた『ぺしゃん3』
私がスペインに長期テニス留学したのはもう20年も前のこと。当時はファンカルロス・フェレイロ(アルカラスのコーチとして有名)やアルベルト・コスタ、カルロス・モヤ、アレックス・コレチャなどが有名でしたが、留学先としてスペインを選択することはメジャーではありませんでした。
その後、ナダル選手の登場により日本でもスペインテニスが認知され、今では短期・長期留学先にスペインを選ぶ選手もかなり増えたように思えます。
私の頃は、「なんでアメリカやオーストラリアじゃないの?」と言われた時代でした。
スペインテニスと言えば、ナダル選手のスタイルがわかりやすくそれを象徴していて、
・ヘビートップスピン
・とにかく走って拾う粘り強さ
・絶対に諦めない精神面
などが挙げられると思います。
アルカラス選手の登場で、ナダル選手のあまりの存在感のために後継者がいなかったスペインテニスに、後継者が生まれ今後もスペインテニスは世界を席巻し続けそうです。
スペインテニスの凄いところに関しては、これまでもブログにたくさん書いてきましたし、ネットや雑誌の記事もたくさんあります。
・ヘビートップスピン
・とにかく走って拾う粘り強さ
・絶対に諦めない精神面
先に挙げたこの3つは表層的なもので、これだけ見ると、体力と精神力を昭和的に鍛え上げたテニスだと考えがちですが、
実はしっかりとしたコンセプトがあるのがスペインテニスです。
スペインドリル一つをとっても
・なぜそっちのコースに打つのか?
・なぜそうやってボールに近づくのか?
・どんなボールを打つのか?(スピンをかけろなどとは言われない)
最終的に導きたいテニススタイルが明確で、そこにたどり着くためのコンセプトがブレずに存在しています。
しかし、そこまでわかっても、まだまだスペインテニスの強さはその土台となる思想にその強さの秘密があるように感じていました。
この『ぺしゃん3』は、『ぺしゃん』の続編として書いたものですが、その主な登場人物であるコーチと3人の小学生プレイヤーがスペイン遠征に行くお話です。コーチの渉は、事前にスペインテニスについて勉強し、スペインドリルを日本でも行って万全の態勢でスペインに乗り込みますが、思うような結果に子どもたちを導くことができません。
渉自身が努力だと信じたいたものが、実は努力とは呼べるものではなく、自分はこのままでは選手を駄目にしてしまうのではないかというところまで追い込まれます。スペインテニスは、スペインという土壌、文化があってこそその上に成り立つものだと思います。
センセーショナルに登場したアルカラス選手のテニスはナダル選手のスタイルだけでなくフェデラー選手やジョコビッチ選手の要素も併せ持っていると言われています。スピンを主体とした守備的なテニスばかりを指導されたら、あんなテニスになるはずがありません。日々バージョンアップされていく世界のテニスの動向に合わせて確実に進化した指導法で誕生した選手だと思います。
ですが、それは世界中で行われていること。
なぜ?スペインテニスはあんなに強いのか?
色々と思いを巡らせていると小説になっていました。
ノウハウ本にはない選手として学んだスペインテニスとその後、コーチとしても何度も訪れたスペインテニスの得体の知れない強さの秘密に迫ってみました。
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