子どもたちに用意してあげたい試合環境


ジュニア選手を取り巻く環境は、年々恵まれたものになっていっていると感じます。
ただ、競技人口がそれほど多いスポーツではないので、選手間の情報がすぐに共有されてしまい、知った顔とばかり練習や試合をするということになっています。

低年齢からランキングがつき、子どもたちは順番がついた状態で比べられながら試合をする事ばかりです。

低年齢の時にたくさんの試合経験を積むことは大切です。
その中で試行錯誤する楽しさが育まれます。

しかし今の状況では、どうやって負けないようにするかばかりに気がいってしまいます。
負けると順番が下がるからです。

ジュニア選手たちは、強い子に勝つための試行錯誤はできますが、その土台となる『試す力』が弱いとそれすら中途半端なのになります。

『試す力』には、
・ノリよくなんでもやってみる力
・ポイントが取れないことも経験として受け入れる力
・上手くいかなくてもさらに試し続ける力
などが必要です。

これは対戦相手との差分を埋めるということに対してのみ発動することではなく、試合の中で自分の中に生まれる遊び心やチャレンジ精神に起因して育っていく力だと思います。

以上のことから考えると、子どもたちに用意してあげたいのは、できるだけデータがない選手との試合環境(練習でもいい)だと思います。
それには遠征するしかなくなるかもしれませんが、できるだけどんな相手が知らない選手と競い合って、勝ち負けにはこだわるけれども、結果として付与されるポイントなどはそれほど気にしなくてもいい環境が理想だと思います。

海外遠征に行くとそのような環境はたくさんありますが、国内でも行動力さえあれば手に入ると思います。

『試す力』が身につけば、選手たちが嫌がる同じレベルでの練習マッチや、格下選手との練習を良い練習環境だと思えるようになります。
練習相手は強いに越したことはないですが、満遍なく様々なレベルの選手と打ち合うのが良いと思っています。

『試す力』なしに強い選手とばかり練習しても、リアクションばかりで終わってしまいます。そうなってしまうと、リアクションだけでは物足りない格下選手との練習が意味がないものに感じるようになってしまいます。

鍵になる『試す力』を身につけるためにも、比べられながら戦う勝ち負けのプレッシャーが強くない環境を用意してあげましょう。

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