子どもたちに残しておきたい余白の部分
多くのジュニア選手はスクールでテニスを始めます。
肯定的に見れば、最初から正しい『型』を学ぶことができ最短距離で上手くなれると言えます。
これはちょっと否定的で意地悪な見方をすると、最初からずっと大人の監視下でテニスをしていると言えます。
我々昭和の子どもたちが、公園でやっていたような遊びをすっ飛ばしていきなり正しい『型』を学べるなんて羨ましい限りですが、
良いことばかりではない気もします。
トップのトップを目指すのであれば、小さい頃にフォームなど気にせずに全力で力を入れることや、その場のノリでやって見たいと思ったことをどんどん遊び感覚で取り入れて試してみるといった能力がどこかで必要になるからです。
ですがスクールでは、アウトばかりしていてはアドバイスをされるし、その場のノリで色々とやって見ても、それが良かったのか悪かったのかすぐにコーチに正解を言われてしまいます。
昭和の子どもたちがたっぷり持っていた余白の部分と引き換えに今の子たちは正しい『型』を手に入れていると言えます。
そのことは、ジュニアテニスのレベルを大きく引き上げていると思います。
しかし気をつけて見ておかないと、子どもたちの余白の部分をゼロにしてしまいます。
そうなってしまってはいつか頭打ちが来てしまう選手になってしまうかもしれません。
これは指導上の注意なだけでなく、ジュニア選手のスケジューリングにも当てはまります。
低年齢の頃ほどテニス以外の経験も大切です。
何もしない日も必要です。
しかし、詰め込めば詰め込むほど成果が出やすいのも低年齢の頃です。
その時期にいかに余白の部分を残しておくか。
全力で力を出すことよりもコートにボールを収めることを優先しておいて、大きくなってから運動連鎖が不十分と言われても困るのは選手の方です。
何かやってみようと思うたび、それは違うと否定され、大きくなって自分で考えることができないと言われてもどうしようもないです。
きちんとした『型』を学びながらも余白は大切にしきましょう。
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