定義再確認時代。『育成』の定義付けを。。。
最近ウィキリークスなる、とんでもないものが話題を呼んでいる。そして、Twitterの影響力もどんどん増していている。先日もあるジャーナリストが『SONYは死んだ』とつぶやいたことにより、大炎上していた。情報は明らかに、新聞だけから得る時代ではなくなった。『情報』=『新聞』という定義は完全に変わってしまったと思う。もちろんかなり前からそうだったんだろうけど、そういうことに疎い僕が気がついたという意味で完全に。。笑。
ではテニスのお話。ちょっと考えてみたのです。テニスにおける『育成』という言葉はどのような定義があるのかな?って。テニスの『才能』という言葉の定義は?
ではまずは、『才能』の定義からしてみましょう。よく『努力で超えられない壁はない』と言います。スポーツに関する情報が希薄な時代なら、そう聞いて希望が湧いてくる人も多くいたはずです。しかし、今の時代は先天的な才能の存在を、誰もが知っています。毎日毎日走り続けても、陸上100mの世界記録保持者ウサイン・ボルトになれるわけではありません。そのような社会風土の中で、『努力で超えられない壁はない』と言っても心に響くかどうかは疑問です。ということは指導者は、子供達に『君たちには才能がある』という風に思わせないといけないというこです。
前回のブログでテニスにおいて、自由なのは目標を高く持つことだと書きました。もう10年くらい前からでしょうか、子供達の口癖の中に『無理!』という言葉が、登場し始めました。10年前といえば、ちょうどインターネットが急速にに普及し始めたころでしょうか?子供は社会の鏡です。情報氾濫により『才能』の存在に気づいた子供達の、『自分の才能を信じたい!』というメッセージだったのかも知れません。
『才能』に対して、超えられない壁ではない、努力に勝る才能はないという定義付けをしたいのであれば、指導者は『才能』は君達全員に存在すると信じさせることが必要だと思う。結局は『才能』×『努力』でプレイヤーの強さは成り立っていると思う。各プレイヤーの最高到達点は努力の部分でしか調節できないのだから、頑張るしかないですよね!指導者にとって『才能』とは『信じさせるもの』と定義付けることができます。
次に『育成』について。これも10年前くらいからでしょうか?能力主義という社会になり、労働者は査定されるようになりました。企業内では、新入社員から『査定』=『育成』という構図で教育を受けるようになりました。若いうちは失敗しながら仕事を覚えなさい。失敗の分は先輩がカバーするよ、という風土はなくなってしまいました。新入社員の収支は大赤字でもその分は先輩達が埋めて、その間に失敗によって若手が成長してくる。という正のスパイラルが今までは存在していたと思います。
もしこの構図がジュニアプレイヤーにも当てはまるとすると、彼ら彼女らは『査定』されていることになります。テニスの技量をです。プロになれなくてもテニスを通じて色んなことを学んで、その後の人生に生かせばいいという考えではなく、単純に結果を求められています。特に誰からというわけではなく、社会風土からです。
話を移しますが、民間スポーツ企業の選手育成は赤字部門がほとんどです。選手の育成にはお金がかかるので、収支は育成部門だけだと赤字になります。その分は、他の部門でまかなうことになります。企業がスポーツのスポンサーをする時も、もちろん同様です。広告宣伝の意味合いもあるでしょうが、対費用効果を考えると厳しいと思います。うまく利益が上がるのはプロ野球くらいではないでしょうか。Jリーグも厳しそうです。スポーツの『育成』が査定されると赤字なので当然マイナス査定です。『育成』の定義をしっかりと再構築しないと、育成は死んだということになりかねない。。。
インターネット上で『SONYが死んだ』と話題になるのは、期待の裏返しだと思います。日本の復活にはSONYの力が絶対に必要です。そして、日本人の復活には『育成』が絶対に必要です。人間は『査定』されて強くなってきたんでしょうか?それとも『育成』されて強くなってきたのでしょうか?『査定』は企業が生き延びる為に必要なことであり、決して『育成』とイコールにしてはならないと思う。『育成』は死んだとはまだ言いたくない。
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