テニスコーチの未来 技術力がなくなる日
こんにちは!日曜日は遠吠えブログ!今日は自分達テニスコーチの今後を考えることにしよう!今、日本の社会はこれまで当たり前とされていたことが、当たり前ではなくなってきている。おそらくこれからしばらくは、変わり続けていくと思う。そのほとんどが構造的な問題で、今までは完璧に機能していた組織がそうではなくなってきている。
まず会社という組織でみると、新入社員が増えない。学生側から見ると就職難。これは、不況のせいにしてしまっているが、僕の考えではそれだけではない。企業側もフレッシュで体力がある人材は欲しいに決まっている。では、なぜ新入社員をとれないのか?それは、現正規社員をクビにできないから。正規社員の解雇は法律によって守られている。企業は正規社員の解雇を回避する努力をすべて行った後でなければ、正規社員の整理解雇はできないことになっている。これは法律で決まっているんです。その解雇を回避する努力の一つに『新規採用の中止』というものがある。つまり、おっちゃんを解雇する前に若手の採用を中止しなければならないと、法律で決まっている。結果として、新規採用は減り就職難となる。そして、新規採用をすこしでも取る為に、非正規労働者がクビにされる。。世間で騒がれていることは、正規社員を守る法律で定められていることであり、企業側の感情ですぐにどうこうなる問題ではないんです。
その結果、守られる立場の正規社員は就職先の企業での勝ち残り競争のプロになっていく。僕はそのことを非難しているわけではありません。その『流れ』がスムーズだったおかげで僕達の世代はすくすくと育ってきたわけだし、テニスなるものに血道を上げる幸せな青春を送れてこれたわけです。ただ現在、この『流れ』がスムーズではなく、詰まって来ています。企業内での勝ち残りのプロ達は、経営のプロではなくなっています。僕はそのことも非難しているわけではありません。日々の業務に邁進してきた結果、なぜかそうなってしまったんです。社会的風潮ってやつです。経営の定義が変わってしまったからです。ものすごく簡単にいうと『守り』の経営を極めることが全てだった時代から『攻め』の経営が必要な時代が来ようとしています。いや、もう来ているのかもしれません。
さて、テニスのお話というか、我々テニスコーチのお話。テニスコーチという仕事にも報酬が発生するのであり、それは今までの構造の中で作り上げられてきたものです。僕が経験してきた時代しか書けませんが、年功序列時代と成果主義時代で今の報酬の仕組みが出来上がっています。年上のコーチ(勤続年数が長い)が報酬が高いという時代から、能力のあるコーチ(プレイヤーとしての実積がある、人気があってお客さんが多い)の報酬が高いという時代を経て、2つが混ざったような報酬に落ち着いているのではないでしょうか?しかし、この仕組みでいられるのはさかのぼって考えると、先の正規社員が守られている法律がある前提でのことのような気がします。
正規社員が守られているので、新規採用を定年退職者よりも多く取れば取るほど、会社は人数が増えていく、それらをまとめる為に中間管理職ができていく。中間管理職というものが存在することが大きい。仕事には能力の差が存在すると認められ、その能力が高い人間が評価されて、中間管理職になる。次のような公式が成り立っていると思います。
正規社員の安定=仕事上の技術力の差の存在を認める余裕
そして小さな部隊がたくさんできていく。そして報酬にものすごく細かい段階ができていく。そのような流れが当たり前だから、テニスコーチもその能力によって細かく報酬が違ってくる。言わば、技術料(ヒッティングが上手い、指導が上手いなどなど)というものが存在する。では、今の法律では会社組織が持たなくなり、一部法律が変わって今よりも正規社員が守られないような日が来たとします。このまま、経費削減の繰り返しで会社が小さくなれば、当然正規社員の安定もおびやかされる。。。2013年ごろには、景気は回復すると言われているけど、取り合えずそこまでは落ち続けるということだ。落ちるとこまで落ちた構造で次の好景気が始まる。その時、以前の構造に戻そうとするとは、考えにくい。
正規社員の安定もおびやかされる仕組みで次の好景気は始まるのではないか。上の公式から判断すると、ほとんどの職業で技術力の差がないと判断されるでしょう。人間一人一人の力なんてほとんどの人はそんなに差がない。正確に言うと、給料の差ほどやっている仕事の差がないというべきでしょうか。そうなると技術料というものが存在しなくなります。会社はごく数名、もしくは0人の経営者によって指示される集団になってしまいます。テニスコーチにとって技術料がなくなると、最低ラインのコートに立っている時間給のみ。既存のスクールではテニスコーチの存在はそこまで落ちる可能性もあります。でもこれはテニスコーチに限らず、技術職や中間管理職、全員に言えることだと思います。要するに能力の差はないと評価されてしまうということです。もともと僕が受験戦争に巻き込まれている時によく言われてました。『人間の仕事の能力にはほとんど大差はない、だから良い大学に行って、大企業に入るんだ。そうすれば、同じ仕事をしても良い給料が貰える』どう考えてもおかしい理屈ですよね。この理屈が完全に通らないばかりか、仕事の能力には大差がないという所が強調されてくる。
現構造が崩れると、良いテニスコーチを目指しても目指さなくても報酬が同じになる。そんなところに競争が生まれるわけないし、良いコーチが育つわけもない。今までのような技術力の競争は起こらない。その競争による発達も起こらない。でもそんな未来はもうすぐそこにあるような気がする。次なる構造の中でも良いコーチになるには、どのようなことが必要なのか。。。どうやってテニスを頑張るジュニアや一般の試合にでている方、試合にはでないけどテニス大好きな方の役に立ち続けられるのか。。考えると眠くなる。。。あかん、あかん!考えるのじゃ!笑!
次回は、この現状をふまえて、次はどんな経緯で強いジュニアが育っていくのかの未来予想を勝手にしてみよう!
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