テニスが野球やサッカーのように世界で通用しない理由Part3


こんにちは!引き続き、テニスが野球やサッカーのように世界で通用しない理由の第3弾!第1弾はこちら !第2弾はこちら
今日はテニスというスポーツのある特徴から述べていきたいと思います。ある特徴、それは『教えやすい』ことです。テニスやゴルフなど、雑誌のスポーツコーナーで技術解説のページが多い競技は『教えやすい』競技であると考えていいと思います。それに引き換え、サッカーのドリブルなどは、流動性が大きく、その自由性も高い為に誰にでも教えやすいという競技ではありません。
今、『教えやすい』と述べたテニス、ゴルフ以外に野球(バッティングとピッチング)も『教えやすい』競技に入ると思います。共通点は道具を使うことと、動作の過程でプレイヤーが動いていないことです。その場で止まってプレイすることです。ここでちょっと待って下さいね。テニスはゴルフや野球のピッチングやバッティングのように止まってプレイしているように感じますが、実はサッカーのように動いてプレイしていますよね?野球やゴルフと違って、サーブ以外は動きながらプレイします。
話を整理します。『教えやすい』のは、止まって、静止状態でプレイする競技です。テニスはそれに属しません。なのに、なぜか止まってプレイする競技のイメージがあるんです。テニスを頑張るジュニアの回りには、アドバイスしたくてうずうずしている、お父さん、お母さん、通りがかりに見ている人、友達のお父さん、コーチがたくさんいます。その中の何人が今述べたような『教えやすい』けれども教えやすいスポーツではないことに気がついているでしょうか?
そしてもう一つ。全習法と分習法という言葉があります。これも『教えやすい』に通じる内容になります。2つの言葉の意味は読んで字のごとく、全体を実践的に練習するか、部分部分を取り出して練習するかということです。部分部分を取り出した方が当然、『教えやすい』です。その部分部分をさらに細かく分けるともっと『教えやすい』です。
料理に例えてみましょう。世界で認められるくらい美味しい料理を作ることが最終目標であるとした時に、正しい(と思われる教科書通りの)包丁の持ち方を覚えることはそんなに重要でしょうか?正しい鍋の持ち方や、火加減の調整は重要でしょうか?まずは、味覚のセンスを磨くことだと思います。何が言いたいかわかって頂けたと思いますが、『教えやすい』分習法では、グリップの持ち方や正しい(と思われる)フォームを覚えるだけです。そのことと、良い試合をすることはリンクしません。僕は分習法を否定しているのではありません。『教えやすい』静止状態をイメージしたアドバイスは、良い試合をすることとはリンクしないと言いたいんです。
そしてこの『教えやすい』静止状態をイメージしたアドバイスが、蔓延する理由としては、テニスの『指導』や『教育』が市場の原理の中に入ってしまっていることが上げられると思います。市場の原理の元では、アドバイスをする側よりのその受け手の方が立場が上になってしまいます。そのことが直接悪いわけでありません。
でも、アドバイスをする側のテニスに関する知識の『深さ』をその受けての『深さ』に合わさなければならないことが問題だと思います。味覚のセンスをUPさせるようなことを言いたくても、受けてがフライパンの使い方の指導を求めれば、そうせざるを得ないことが問題です。「師匠の言っている意味はよくわからないけど、それが味覚の向上につながるんだろうなぁ。」と思うことが重要であって、「今日は正しいフライパンの持ち方を教わった、また料理が上手くなった。」と思うことはそれほど重要ではありません。

長くなりましたが、今日の最初の結論としては、『教えやすい』静止状態をイメージしたアドバイスをしないことです。
そして、この全習法と分習法をもう少し掘り下げていこうと思います。世界で活躍することを目標にするなら、テニスは生活の一部というか大部分をしめると思います。ではこの全習法の『全』は生活すべてということになります。ジュニアプレイヤーにとって、コーチはどこまで影響を及ぼす存在であればいいのか?ジュニアプレイヤーの日々の生活は学校に行って、練習して、帰宅してというサイクルだと思います。
現状では、テニスクラブにいる間は『全』と捉えて指導していると思います。クラブ内での挨拶などに始まり、練習メニューまですべてテニスに通じると考えて、全習法として指導しています。そして優秀なコーチほど、この枠を超えて、学校生活や家での過ごし方にまで影響を及ぼすでしょう。日本にはそのような優秀なコーチがたくさんいると思います。(僕はまだまだひよっこ以下。。。)そのようなコーチの影響力を市場の原理で潰さないことが今日のもう一つの結論です。
では今日の結論、『教えやすい』静止状態をイメージしたアドバイスをしないことと、優秀なコーチの影響力を市場の原理で潰さないことの両方を仕組み作りで解決するにはどのようにすればいいのか?
簡単なのは海外にいくことです。海外ではハナからこの2つは心配ありません。(前提として日本人をお客さん扱いしていないクラブ)国内ではどのようにすればいいのか。世界を目指すという理念を掲げて、プレイヤーからもらうお金を経営の基盤としないテニスクラブを作ることです。理念は誰にでも掲げることができます。しかし、その理念は市場の原理にどんどん侵食されます。。。お金の流れが重要です。
Part4ではこのお金の流れについて考えて行きます。
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