たった30年でも。。。
男子ウインブルドンの決勝はナダル対ジョコビッチに決まりました。今晩が楽しみです。ずーっと王者だったフェデラーの時代が終わりつつあります。
僕がテニスを始めた約20年前は、レンドルの黄金期が終わりつつあり、エドバーグとベッカーとの3強の頃でした。その前の世代になると、コナーズ、ボルグ、マッケンローとかになるのでしょうか。
先日、テレビを見ていたら、マッケンローとレンドルの時代にグランドスラムタイトルを取った、マッツ・ビランデルがインタビューで次のように答えていました。『昔の選手の方が精神的には強かったかもしれない。今の選手は賢く練習し、食事をとり睡眠をとる。そしてプロ意識が強い。』この昔の選手の方が精神的には強かったという所に何か興味を持ちました。
テニスは道具の進化により、どんどんスピード化され、長い長いラリーを我慢強く続けるということはなくなりました。昔の全仏オープンのレンドル対ビランデルを見ましたが、1ポイントがとても長く感じられます。ラリーが良く続きます。社会的な状況を見ても、今ほどテニスはメディアに登場していなかったし、賞金は高くなかった。色んな意味でプレイヤーは今より我慢強かったのかもしれません。
今の選手は、ビランデルからして見れば、科学的に証明されていることを忠実にこなしているように、見えるのでしょう。でもそれも、違った意味での我慢強さですよね。科学的に証明されたトレーニング、食事をルーティーンにすることは、豊食&豊娯楽の今の時代では、我慢強さ以外の何物でもないと思います。要するに我慢する対象が変化していっているといえるのでしょう。
今のジュニア達も昔のジュニア達とはまた違ったことを、我慢していかないといけないのでしょうね。まあちょっと爆弾発言しちゃうと、大人がしたり顔でいうことを聞いてるとロクなことがないのかもしれないですね。もしかして僕は自爆してますか?笑。明日からジュニアに何を言えばいいのでしょう?笑。
僕たちの子供の頃は、受験勉強の時でも、『とにかく今だけ我慢して、暗記して、いい大学に入れば、あとは大企業に入って。。。』なんてこと言われてましたが、蓋を開けたら終身雇用、年功序列賃金は崩壊してえらい事になってます。今の子供達はなんて言われて勉強してるんだろう?
結局、偶有性というか、偶然性には逆らえないのでしょうね。
閑話休題
最近、このブログへのメッセージやコメントで、『子供のテニスについて、いつどの時点で見切りをつければいいですか?』的な内容が増えてます。
就職難や不況などの社会的な影響もあって、進学との兼ね合いもみなさん考えられているのでしょう。一人一人とじっくり話すことはできないので、今まで僕が見て来たプレイヤーの例をあげて考えてみたいと思います。とりあえず6パターンほど。
⑴小学三年で初めて見たときから、激うま!勝負にも強く、今ではグランスラムにも出場。
⑵中学までは全国レベルでの戦績はないに等しく、高校でブレイク!その後も伸びに伸び、グランスラムに出場、ヒンギスと対戦も!
⑶小学生の時は、ラリーができるかなぁ、くらいのレベル。中学から海外に留学!高校では日本の同学年の中ではトップクラスに!今では世界転戦中!
⑷同じく小学生の時は、ラリーができるかなぁというレベル。高校で関西レベルに。大学で全国優勝し、プロ転向。今は世界転戦中。
上記の四人はいずれも女子です。
続いて男子。
⑸中学の時は、ラリーができないくらい。しかし、努力家。高校で関西レベルに。大学でも頑張り、最後にはダブルスで全日本出場!
⑹小学生の時はラリーができないくらい。同じく努力家。高校で関西レベル。大学ではインカレ32。
僕が見てきた範囲では、高校で努力が実って結果が出てくる選手が多いということです。今、小学生でトップグループにいなくても、力技が使えるようになり、大人のメンタルが使えるようになる時期には必ず追いつくチャンスが来ます。
印象としては、まじめにコツコツというイメージの選手が高校くらいから伸び始めたように思えます。
今、同じ職場で働くスタッフの中にも、全国経験者はたくさんいますが、ほとんど高校、大学でその域に達した人です。(もしくは、小中のころから日本のトップクラス)
上の例の⑵と⑶と⑷の選手は小6や中1の段階では、まさか世界を転戦するなどと確約する人などいなかったです。
⑸や⑹の選手も今は就職して立派な社会人です。
何が言いたいかと言いますと。。。自分で頑張ると決めた選手は、高校からでも十分伸びるということです。
たった30年でも、ビランデルの言葉からわかる通り、選手やジュニアを取り巻く環境は変わっていきますが、『目の前にある欲や困難に耐えて、頑張ってコートに立つ』テニスにはそれしかないのかなぁと思います。
あんまりクドクド考えてばかりだと、ニートになりそうなので、また明日から大汗かいて頑張ろ!笑!
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