錦織選手vsフェデラー。試合後のフェデラーのインタビューに見る勝つために必要なこと。
錦織選手vsフェデラー選手の4回戦を見て
錦織選手残念でした。なかなかうまく流れに乗れず、良いところを消されているような嫌な感じの試合でした。世界一テニスが上手くて、世界一優雅にプレイするように見えるフェデラー選手ですが、試合後のインタビューでは錦織選手の良さをどのように消したのかについて答えていました。ちょうど昨日の記事で書いていたことですが、フェデラーほどテニスが上手ければ自分のことだけ考えていれば良いような気がしていましたが、そうでもないようです。
昨日の記事 全豪ジュニアを見て感じた、テニスで強くなるために大切なこと。
この記事の中で、『見ていて感じるのは、通用する『何か』を持っているかどうかが大切だなということ。それは見ていてわかりやすい、スピードやビッグショットという要素ではなく、相手の良いところを消して自分の良いところを出していく能力だと思う。』
と書きました。ジュニアの頃から強い選手はこういうことに長けています。
テニス雑誌 スマッシュの記事
そして今回の錦織選手とフェデラー選手の対戦後のフェデラー選手のインタビューです。(テニス雑誌 スマッシュの記事です。)
この中で錦織選手の長所であるバックハンドを封じるために、多彩なバリエーションで応戦したと言っています。引用すると、
「もし僕が圭のバックハンドのすごさを知らなければ、違う展開になったかもしれない。だが僕は、彼の試合を良く見ているから心の準備が出来ていた。つまりは……バリエーションで対抗しようとしたんだ。サーブ&ボレーや、スライスも使いながら」
とあります。
このブログでも良く紹介する『多彩さ』
このブログでも多彩さの重要性はよく書いてます。
錦織選手に気持ちよくプレイされてしまうと、バックハンドでディレクション・チェンジをされてしまいます。そうさせないように、フェデラー選手の方から変化をつけて、バックのクロスからデレクション・チェンジをさせる展開を作らせないようにしたのでしょう。それができるのは、フェデラー選手がテニスが上手いからですが、注目すべき、真似すべきは、そのアイディアの種というか、相手の良いところを消して自分の良いところを出していくことを重要視している点です。
相手のテニスはよく知っていて、相手のショットのこともよく知っているのに、なぜかまくいかない、なぜかポイントが取れない、ゲームが取れないというのは選手にとってものすごいフラストレーションです。サッカーなら戦術担当の監督が、解決のための指示をくれますが、テニスは自分で考えて自分で問題解決しなければばりません。フェデラーのこのコメントを読んでからもう一度試合を見直してみると、錦織選手が流れに乗り切れなかった答えがわかるかもしれません。
とはいえ、フェデラー選手にバリエーション作戦まで使わせる錦織選手。本当は錦織選手もものすごく工夫して色々と返歌をつけたはずだけど、勝った方の情報しかフォーカスされないから仕方ない。次は優勝だ!!!
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