試合前に作戦を立てる時に考えると良いこと。エスパルシアコーチがナダル戦に勝った時の思考法。
エスパルシアコーチが語ったナダル選手の勝ち方
先週の箱根キャンプ、2日目の夕食の後、エスパルシアコーチはジュニア選手を集めて質問コーナーの時間を作ってくれました。このブログでエスパルシアコーチの紹介をする時に、『コーチとしてナダルを倒した男』と書いていたので、『ナダル戦の前にどんな作戦を伝授したのですか?』という質問が出ました。エスパルシアコーチは、ギジェルモ・ガルシア・ロペス選手のツアーコーチだった時、タイオープンでナダル選手と対戦し、ギジェルモ選手は勝利しています。
エスパルシアコーチが伝授したのは3つ。
①ハードに戦うこと。
②長いラリーを嫌うこと。
③短いボールを効果的に打つこと。
です。
①はテニスの基本です。
フィジカルを最大限に使って諦めずに戦うことで、誰と戦ってもスコア的に競ることができます。
トップシードの選手でも、いつもロースコアで勝てるわけではありませんよね。まずはハードに戦って4−4や5−5まで競る必要があります。
相手の苦手な所と自分の得意な所を戦わせる
ギジェルモ選手は上背があり強いボールが打て、またリーチもあるのでネットに出るとプレッシャーをかけることができます。バックハンドは片手なのでスライスも上手くこなせます。そこで
長いラリーを避けて早いテンポで攻めて行ったり、ネットに出たりすることを多くした
そうです。ナダル選手は厚いグリップで強烈なスピンボールを打つ選手でコートカバーリングは驚異的です。コーナーに良いボールを打ってもカウンターで返ってきます。ですからあえて短いスライスボールを打つことでスピンをかけづらくさせたそうです。ボレーの機会があればとにかく短いボレーを心がけたそうです。深く打つとパッシングが来ますし、ドロップボレーでは追いつかれてしまいます。
短く打つことでナダル選手に返球しにくくさせてポイントにつなげる作戦に出たそうです。
競ること+αで勝負をかける
まずはハードワークでスコア的に接戦にします。そこでネットに出てボールに触れたら短いボレーを心がける。長いラリーを嫌って早めに勝負をかける。そうやって勝利を引き寄せました。まず接戦に持ち込んで、大切なところでプラン通り勝負をかける。強い選手に勝つ時はこうする以外にチャンスはないでしょう。
相手の苦手な所と自分の得意な所を戦わせるという発想はとても大切だと思います。
そういう目でライバルにテニスを観察すると、色々と見えてくるものです。
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