結局そんなもんだ!
テニスにおけるレベルアップってなんだろうとよく考える。サーブが速くなる。フォアハンドのチャンスボールが決まるようになる。苦手だったバックハンドストロークが安定する。色々あると思う。でもうまくなることとレベルアップって違うと思うのです。僕が思うレベルアップの定義とは、『な~んだ、結局そういうことなんだ』と気がついた時です。練習中は夢中です。そして試合中も夢中です。その夢中の時間の繰り返しの中で、ある時ふと気がつく瞬間があるのです『な~んだ結局そういうことなんだ』って。
例えば、試合に出るプレイヤーは練習マッチを含めて、勝ったり負けたりの日々の繰り返しです。最初は負けることを感情が受け入れられません。でも経験を積み重ねるとある時ふと気がつきます。『ナダルもフェデラーも勝ったり負けたりなんだ。』『勝ったり負けたりの日々を繰り返すことが大切なんだ。』って。もちろん感情はそれでも負けることを受け入れられません。それは、当たり前です。ただ、『しっかりと勝負することが大切なんだ。』と思えるようになるはずです。練習してきたことを、しっかりとコートで発揮することにベストを尽くせるようになります。そうすると、練習の目的や態度にも好影響がでてきます。その瞬間、選手はレベルアップしていると思います。
フォアハンドのチャンスボールが決められないプレイヤーがいます。練習でも、試合でも決めにいきますが、ボールのスピードが遅くて決まりません。ムキになって打つとエラーしてしまいます。ある時、開き直ってフォアハンドを少しゆっくり打って、ボレーで決めようというプランに変更します。すると、相手はパッシングショットをエラーしてくれます。もともと丁寧に打つことは得意なのでアプローチショットはミスしません。結局、いつも負けている選手に勝つことができます。そして『な~んだ、結局そうなんだ。』と思うわけです。コーチに「ミスを減らせ!」「ムキなって打っても決まらない。」「力入りすぎだ!」と何回言われても、うまくコントロール出来なかったフォアハンドが制御できるようになりました。打つだけがテニスではない。と気づくことでレベルアップ出来たのです。
テニスとは関係ないことですが、パソコンを使いこなすことも同じようなことが言えます。パソコンは操作に行き詰るとまったく前に進めなくなります。ネット系の家電はほとんどそうです。その最初の行き詰りで嫌になってしまうとパソコンは永遠に初心者のままです。それでも、続けて操作し続けることで、『結局、パソコンって代物はうまく操作出来ない時があるんだ、それとうまく付き合っていって解決方法に慣れていくしかないんだ』と気がつきます。その時点で少なくとも、初心者は抜け出せているのではないでしょうか?
ではどうすれば、その瞬間は訪れるのでしょう?それは、『継続すること』だと思います。そして、その瞬間を最も邪魔するのが『人間の感情』だと思います。『継続すること』は、ほとんどのプレイヤーができると思います。難しいのは、自分の考えがどのような『感情』によって導き出されているのかを考えることです。自分より戦績が上のプレイヤーに対して、『俺はあんな勝ち方はしたくないんだ。もっと、エースを沢山奪って勝ちたいんだ。』と思ったとします。その考えの根本が『嫉妬』や『他人への怒り』から発信されているようでは、『気づきの瞬間』は訪れにくい。純粋に『自分の表現したいものを表現したい。』という気持ちから出てこないと『気づきの瞬間』の邪魔をしてしまうでしょう。
仏教の三毒ではないですが、感情のどの部分から『考え』がでているのかを理解する必要があると思います。ジュニアプレイヤーだと気持ちよく挨拶できる奴というのは、この辺りの能力が無意識に高いような気がします。長々と書いてしまいましたが、結局、『気持ちよく挨拶ができる奴がいいプレイヤーなんだ。』と気がついた。またコーチとしてレベルアップしてしまったか、笑!
iPhoneからの投稿
注目記事
- ヨーロッパのコーチが選手の素質を見抜く時にまず注目するところ
- オレンジボールやグリーンボールはいつまで?
- 世界中、強くなるジュニアが、テニスの練習でやっていること
- ジュニアテニスで一気に伸びるために必要な行動
- ジュニアと親を苦しめるポイントシステムを解説!! ジュニアランキングを上げるための複数年計画の年間スケジュールとは。
- 外人って何食ってるからあんなにデカくなるんだろう?海外のジュニア選手の食事。
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。