経験を知識として学ぶ。。。
先日ちきりんさんのブログにおいてこんな内容がありました。以下に引用します。
この国には「経験を知識にして学ぶ」という仕組みがなく、「経験は経験として学ぶ」という方法しかありません。なので学ぶのに時間がかかり、学び終えた時には皆シニアになっています。
アメリカはこの『経験』をマニュアル化してどんどん伝えていくとありました。納得できる内容だと思います。確かにアメリカのテニスの指導はシステマチックでマニュアルが好きだ。
テニスでもそうだし、仕事においても『経験』というものを口では伝えるけれども、知識として学ぶということは今までしてこなかったと思う。読書を通じて他人の人生を擬似体験することはできても、それは『経験』を知識として学ぶこととは少し違うと思う。それは、あくまでサブ的な役割であり、経験を学ぶメインにはなりえない。
テニスにおいても『経験』というものは大変な財産です。僕は日本人なので、『経験』をマニュアル化して教えられることにはあまり気持ちのよさを感じません。自分の体で経験値を積み重ねる方が、マニュアル化されたそれを教えられるより、近道であると思います。
でもその僕の中での常識が間違っているとしたら。。。最近そんな風に考えることがあります。自分の中の気持ちのいい感覚というものに何か違和感を覚えてしまうのです。
石原慎太郎東京都知事の再当選のインタビューにおいて『日本人はこれからもっと慎ましやかな生活をしないといけない』と言ってました。僕はとても気持ちのいい思いがしました。慎ましやかに倹約して生活することは、簡単にイメージができて実行も精神的な努力さえできれば、簡単だと思えたからです。でも何か違和感が心に残るんです。そんなんでいいのかなぁ?って。簡単すぎやしないか?って。
ではどのように『経験』を伝えていけばいいのか?有名選手の話を聞いたり、本を読む。海外を経験する。でも有名選手も『経験するしかないとよく言います』。僕自身、海外留学を経験していますが、それを知識として伝えることはとても難しく感じます。『海外を知るには海外にいくしかない』と言ってしまいます。でもそれではいけないのかもしれません。それを知識として伝える努力をしていかないといけない。自分自身がプレイヤーとして大成しなかった『経験』も伝える努力をしていかないといけない。でもそこでひっかかることがあります。
そうすると、プレイヤーの希望や夢を摘んでしまうことにならないかということ。未知の世界への挑戦をいうものを僕は美化しすぎているのかもしれません。結果重視というものを毛嫌いしすぎているのかもしれません。アメリカの大義名分は結果重視です。日本のそれは違います。結果重視なら頭のいい日本人は世界を目指すなんてそう安安とは言えないはず。先日ある方のブログで、日本人はプロを目指すプレイヤーが世界で一番多いとあり、とても違和感を覚えました。
それは『経験』を知識として学ばないからなのかなぁと思う。自分で無理だということを経験するまでチャレンジを続けるから、目指せるのかもしれません。そのことを否定するのであれば、コーチは経験から無理だと判断してあげないといけないということになる。ではどの段階で?何歳で?そんな倫理観存在しますか?君はプロにはなれないなんて口にできますか?18歳とか22歳とかの人生の区切れでならともかく、13歳くらいで言うことは無理でしょう。
経験を知識として学ぶということは、日本人の道徳心に反するんだろうなぁ。
そして『経験』を知識として取り入れようとするメンタリティを育むことも必要だと思う。ある意味でつまらなく感じるだろう。合理的な人生を歩むことになる。でもそのつまらないと思われる感覚の向こう側に、『経験』を知識として取り入れた価値の高い人生があるのかもしれない。
小学低学年から一つのスポーツにしぼって、中学になる頃にはバーンアウト。。。これを経験してしまったら、誰かに辞めろっていわれるよりも、つらいことになるんじゃないの?って思う。
以前のブログにも書いたけど、上記のような情報はあふれている。でも、社会的風潮や道徳心、盲目的な感情論にかき消されて、流れはとまらない。。
僕も今、35歳。あと5年くらいしたらこの流れに抗うパワーはなくなっていくだろう。。。(先人達の経験を知識として学んでいる)でも抗えるかぎりは怒っていようと思う。それが、30代の役割だと思うから。。。
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