青春のひとコマ。。。
月曜日に紹介した本の中に、韓国のスポーツ育成はエリート教育が中心で、日本のような青春のひとコマ的なスポーツの頑張り方は存在しないとあった。
では韓国では、青春のひとコマ的スポーツをせずに何をしているかというと、受験戦争だ。日本よりも何倍も熾烈な争いが繰り広げられ、アメリカのトップクラスの大学や、国内の大学を目指し、少しでも良い企業に就職しようとする。
日本でも、経済の悪化にともなって、就職難になっている。そうなると、少ない椅子を巡って受験戦争が起こり、青春のひとコマ的なスポーツは影をひそめていく。。。要するにこの国の軸は経済であり、金持ちになることが、1番の目標なのだ。第二次世界大戦後の岸内閣以外は、すべてこの考えで統一してきた。優秀でお金が稼げる人材がよしとされてきた。
しかしその中で、ある程度経済が成長して安定してくると、青春のひとコマ的なスポーツの代表である部活動が盛んになってきたと思う。あのサッカーのオシム監督が、『日本の部活動という仕組みは素晴らしい』と著書「考えよ!」の中で言っていました。
さてテニスの話。部活動とテニスクラブには次のような公式があてはまるようです。
部活動=お金がかからない=指導者がいないので教えてもらえない
テニスクラブ=お金がかかる=しっかりコーチングしてもらえる
このような話はよく聞きます。僕は、この公式にそれによって得られるものも加える必要があると思います。
部活動では、確かにあまり上達しないかもしれませんが、友達付き合い、先輩後輩の関係などが学べます。そして僕が部活動の方が、テニスクラブをしのぐだろなぁと思うことの1番は『学ぶ能力』の習得です。こんなんやって上手くなるんかなぁと思いながらも、努力を続けることはとても重要であると思います。
テニスクラブの指導者に、これはこうやればうまくなると、ある程度の確約をもらって練習するのと違い、ある種の不安といつも戦いながら練習する。そのことによって、何年か経ったあとに、あの経験が今役に立っているということにつながる。暗闇を手探りで進むような作業でしか、『学ぶ能力』は開花しないのではないかと思う。
今全仏オープンで活躍しているフランスのバルトリ選手はお父さんと二人三脚で、テニスコーチや協会に変な目で見られながらも、独自の道を突き進んで成功を納めたらしい。まあ、そのやり方が良いか悪いかは別として、まさに日々、暗闇を手探りで進んでいたのだろう。
僕がここで言っている『学ぶ能力』とは、言われたことを正確に実行し覚えようとすることではなく、自ら考え答えを出せる能力。そこに行き着くには、どのような過程を踏まなければいけないのかを経験することです。
もちろんテニスクラブで練習するプレイヤーにもこれができる人はいます。ただ、教えてもらえるのが当たり前で、それがすべてになるのではなく、自ら考えて答えを出せる能力を身につければ、今いる環境をより生かせると思います。環境が変わり、練習時間が増えれば、その分成長しますが、すぐにその伸びは止まります。それからが勝負です。
昭和の青春のひとコマ的部活動では、このような人間の学ぶ能力を刺激し、開花させる土壌があったのではないでしょうか?おそらく僕達の世代を境に、そのようなことよりも、効率や小手先テクニックを学んで、学んだ気になるようになった気がする。僕達の世代が悪いんだ、笑。ごめんちゃい。。。
青春のひとコマはもう無理かもしれないが、テニスを通じて『学ぶ能力』を開花してもらいたいなぁと切に思う今日このごろです。それには、コーチがもっと力をつけないとね!勉強します。。。
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