オーストラリアンオープン(全豪)ジュニアテニスの年齢分布から考える男女の育成プランの違い。
全豪オープンジュニア男女決勝でした。男女共に手に汗握るナイスゲームでした。男子は、2013年にスペインのヨーロッパジュニアツアーを視察に行った時のU14の第1シードでこのブログ・Facebook・インスタでも何度か紹介しているイスラエルのオリエル選手(上の写真)とハンガリーのピロシュ選手(下の写真)との決勝。ハンガリーも2014年に視察に行きましたがその時はU12でしたのでピロス選手は見ることができませんでした。女子は、日本の本玉選手と佐藤久真莉選手を破ったMASAROVA選手と14歳のKOSTYUK選手。優勝は14歳のKOSTYUK選手でした。
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ジュニア男子メインドローの年齢分布
オリエル選手は2000年生まれ、ピロシュ選手は1999年生まれです。さて全豪ジュニア男子の参加選手の年齢分布ってどのようになっているんでしょうか?調べたところ、
1999年生まれ・・・47人
2000年生まれ・・・12人
2001年生まれ・・・5人
グラフにするとこんな感じ。圧倒的に1999年生まれが多いです。
ジュニア女子メインドローの年齢分布
ちなみに女子はこんな感じです。
1999年生まれ・・・21人
2000年生まれ・・・26人
2001年生まれ・・・13人
2002年生まれ・・・4人
男子と分布が全然違います。2000年生まれの選手が一番多いですし、男子にはいなかった2002年生まれの選手がいます。そして優勝選手は2002生まれの選手です。
2つのグラフからわかること
①男子は明らかに年齢による実力差があること
②女子は年齢による差が男子より少ない
日本でも男子は高校3年生と高校1年生では体力に大きな差があります。1年ごとに成長していきます。対して女子はそれほど差がなく、中学生でも高校生とそれほど差がなく、一緒に練習できます。このデータだけではなんとも言えませんが、女子の1999年生まれの強いジュニアは、すでにジュニアを卒業して一般に出ている選手が多いと思われます。女子の場合、年齢による体力差が少ないので、ジュニアで優勝することに価値を見出していない選手は、1999年生まれだけでなく、2000生まれより下の世代でも一般にチャレンジしているでしょう。
男女ではチャレンジの仕方が異なる
明らかなのは、男女で育成プランが異なるということです。大会のセレクトやランキングを上げていく計画など、男女は同じカリキュラムでは進めることができないのはこの2つのグラフからわかります。女子は積極的にカテゴリーを上げてチャレンジしていけばいいですが、男子はそう簡単ではなさそうです。男子は、少しずつ確実に力をつけていく必要がありそうです。逆に女子は、積極的にカテゴリーを上げていく必要があると言えます。昨日ナダルに敗れましたがベスト4まで勝ち残ったデミトロフ選手は2008年のウインブルドンジュニア・全米オープンジュニアのチャンピオンです。一般の部で勝ち上がるのに9年近くかかっていることになります。男子は本当にタフですね。。。
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