オーストラリアンオープン(全豪)ジュニアのヨーロッパ選手の国籍内訳に見るヨーロッパの良い競争環境。
昨日と一昨日は全豪オープンジュニアの年齢別、地域別のデータを紹介しました。昨日のデータではヨーロッパの選手の優位性が顕著に現れました。ジュニア部門の男女の決勝カードはどちらもヨーロッパ対決でした。
一昨日の記事 オーストラリアンオープン(全豪)ジュニアテニスの年齢分布から考える男女の育成プランの違い。
昨日の記事 オーストラリアンオープン(全豪)ジュニアの国籍・地域別データから考えるテニスの競争中心地。
さて、ではヨーロッパの中ではどの国が強いのでしょうか?気になるところです。そこで昨日のデータの中で、ヨーロッパに属する(ロシア・キプロス・トルコ・イスラエルもヨーロッパに入れました。)人数の国籍をさらに掘り下げて調べてみました。
全豪ジュニア本戦男子64人中ヨーロッパ国籍は29人・17ヶ国
4人・・・イギリス
3人・・・フランス、イタリア、ロシア、オランダ
2人・・・トルコ
1人・・・アイルランド、イスラエル、キプロス、ポルトガル、ベルギー、ルーマニア、チェコ、フィンランド、ドイツ、ポーランド、ハンガリー
全豪ジュニア本戦女子64人中ヨーロッパ国籍は24人・13ヶ国
4人・・・イタリア
3人・・・イギリス、ロシア
2人・・・ポーランド、ウクライナ、チェコ、ノルウェー
1人・・・スイス、ルクセンブルグ、ルーマニア、セルビア、クロアチア、ドイツ
特定の国に偏りはない。
男女共にイギリス、イタリア、ロシアが少し多いいですが、一番多い4人という数字でも、男子で全体の約14%、女子は全体の約17%と特別多いわけではありません。どこかの国が際立って強いというよりも、たくさんの国籍で構成されていることがわかります。
競争しやすい環境がある。
国籍に偏りが少ないことで、正しい競争が行なわれていると言えると思います。平等にチャンスが与えられているということです。ヨーロッパではテニスヨーロッパ(ETA)と呼ばれる大会が年間を通してヨーロッパ各地で行われています。U12・U14・U16があります。ITFジュニアには年齢によるカテゴリー分けがないのに対して、テニスヨーロッパはカテゴライズされているので、低年齢の頃からヨーロッパ中で競争できます。テニスヨーロッパの大会システムはヨーロッパの強化にとても役立っていると思います。良い競争からは良い選手が生まれてきます。テニスヨーロッパU14男子のランキング表です。国旗を見てもわかるようにこちらも色んな国の選手がいます。
続いてU14女子のランキング表です。
アメリカや中国の選手もいます。ヨーロッパ以外の選手も出場可能です。もちろん日本人も出ることができます。アメリカはUSTAのセクション3までしか海外の選手は出られません。ヨーロッパは今の所、門戸開放されています。一年を通してハイレベルで公平な戦いの場があることは、ヨーロッパの選手の優位性に大きく関係していると思います。最後にジュニアの頃からヨーロッパの大会で経験を積んでいたナダル選手の映像を紹介します。ナダル選手が1999年にフランスで行われるテニスヨーロッパのU14のG1大会、有名なLes Petits As大会でがガスケ選手と対戦しています。
こちらは2000年の同じ大会のナダル選手です。
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