テニス環境の変遷から考える子供達にとってベストな環境を整える方法とそれに必要な能力とは?


お子様の環境作りは保護者の皆様の大切な仕事

お子様がテニスに興味を持ち、競技テニスの世界を足を踏み入れる。その瞬間から全くの未知の世界にチャレンジして情報を集め、ベストな環境を用意してあげる役割が保護者の方に与えられます。ジュニアの練習環境も時代の流れで日々変化しています。

年代別に、どんなことから情報を得て、どんな練習環境でどんな指導者に教えてもらっていたのか?またコストはどれくらいかかるのか?簡単にまとめてみました。

表にするとこんな感じ

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時系列で紹介していきます。

1980~1995

<情報> この頃は国内の指導情報がメイン。海外の情報も海外発信ではなく、日本の指導者が海外を見て研究して指導していた。世界情報は確かワールドビッグテニスていう番組があったはず。当時はまだテニスを始めていなかったので見たことはなかったです。

<練習環境> 学校の部活がメイン。1年生は球拾いと筋トレのみ。試合に出られるのもレビュラーだけ。

<指導者> 部活の顧問の先生。テニス経験者の方もいれば全くない方もいる。

<コスト> 道具代だけで低い。

※保護者の方の負担はほとんどない時代
お金をかけなくても部活でテニスを学ぶことが出来始めました。子供達に一気にテニスが普及しました。ただ小学生は部活がなかったり、ほとんどの中学が軟式テニスだったことなど、低年齢から硬式の競技テニスに取り組むことができる環境はまだまだ少なかったです。

1996~2010

<情報> 徐々に海外の指導情報が入ってくる。日本人が海外の選手を見た分析ではなく、海外の指導者の言葉で指導方法が伝えられ始めました。ニック・ボロテリーさん、ボブ・ブレッドさん、リチャード・ショーンボーンさんなどが有名になりました。

<練習環境> 民間のテニスクラブのジュニアスクールが普及し始めました。初心者のジュニアから選手コースまであるクラブが増えました。低年齢からしっかりと練習できる環境ができました。

<指導者> 1980~1995の選手たちがコーチになり、自分の経験を織り交ぜた本格的な指導をコーチとして行うようになりました。

<コスト> 民間企業で習うことでコストは大幅に上がりました。選手コースだと月に4〜5万、プラスして道具代などがかかるようになります。

※保護者の負担はレッスン代と送迎
部活の代わりにテニスクラブに所属して、英才教育を受けることができるようになりました。低年齢から始められることで競技力も上がりました。ですが、多様な活動をするというよりは、テニスクラブにお任せという時代だったと思います。

2011~2025

現在です。いつまでこのような形が続くかわかりません。~2025にしているのは想像です。

<情報> インターネットの普及によって世界中の様々な指導の情報が簡単に手に入るようになった。テニスのみならずフィジカルトレーニングやメンタルトレーニングの情報、大会の情報も簡単に手に入ります。

<練習環境> 考えてカスタマイズしていく時代。テニスクラブに預けるだけでなく個人レッスンを受講したり、週末は試合に連れていくなど保護者の方のカスタマイズで練習環境を構築する時代。

<指導者> 実際に指導するのはコーチが多いですが、全体のマネージメントをするのは保護者の皆様になってしまうという感じ。お子様の試合も一番見ていますし、テニスに関するアドバイスも当然します。

<コスト> 個人で予算を決めてマネージメントする時代

※保護者の負担はお金+送迎+マネージメント能力+コミュケーション能力
徐々に個人の時代に突入していきます。低年齢からお父さんお母さんと練習し、そこにテニスクラブの練習や個人レッスンを絡めて行って、できるだけベストな練習環境をカスタマイズしていくようになりました。大会の情報もネットで手に入りますから、保護者の皆様の選択で、様々な大会にエントリーして経験を積むことが可能になりました。情報を集める能力と集めた情報を取捨選択してマネージメントする能力が必要になりました。また多種多様な環境にリンクしていくので、保護者にはそれぞれの関係をうまく保てるようなコミュニケーション能力が必要になりました。

2025~

完全なる想像の話。適当に聞き流してください。

<情報> 年齢や身体の発育具合などを打ち込むとAIが最適な指導の情報を与えてくれるようになる

<練習環境> 練習したい内容、希望時間、希望の練習相手を打ち込むと自動で、できるだけ安く便利な環境をAIが構築してくれるようになる。

<指導者> メインマネージメントはコンピュータが行う。

<コスト> 極限までゼロに近づく。道具もお古が簡単にゲットできる。指導内容や練習相手もタダで見つかる。大会運営なども自動化&スポーンサーがついて、コストが限りなくゼロに近づく。

※保護者の負担は限りなくなくなる。それでもうまくいかないことはいかないので、楽しむことが求められる。
テクノロジーの進化で、より選手目線の育成が可能になっていくでしょう。負担は減りますが、楽しんで見守ることが求められるようになるかもしれません。

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今求められるのは、マネージメント能力とコミュケーション能力

いつも時代もそうですが、自ら考えてお子様のためにベストな環境を整えてあげようと行動する保護者の方々は、一つ前の時代に表中の一つ後の時代の練習環境を構築して開拓していきます。当然、様々な軋轢を生み乗り越えていくことになります。軋轢を作ることはできるだけ避けたいですが、理解がある指導者もたくさんいます。重複しますが、現在のカスタマイズするスタイルは、色んな環境・人を経由しますから保護者の方に必要なのは、うまく時間・場所・お金をコントロールするマネージメント能力と、人間関係を保つためのコミュニケーション能力だと思います。

次世代は考え抜いて行動すると、コストはゼロに近づいていくでしょう。コミュニケーション能力の部分はAIが代行してくれますから、保護者の方に求められるのは、純粋に楽しむ能力だと勝手に推測します。(勝手になので無視ってください)僕は指導者としてそういうコストがゼロに近づくような環境の構築を考え抜きたいと考えています。ま、2025~なのでのんびりね。早まりそうな気もしますが。

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