幸福度ランキング


先日、iphoneで面白いアプリに出会いました。『住んでみた』とい電子書籍です。海外に住んでみて日本との違いをレポートしている本です。著者が実際に住んでみて感じたことだけでなく、数字によるデータの両方が記されているのでとても説得力のある内容になっています。今回住んでみた国はデンマークでした。2006年の英国国立レスター大学による「World Map of Happiness」においてデンマークは1位に輝いたそうです。日本はなんと90位。以下に著者の意気込みを本から引用します。

「住んでみた」は、「世界第2位の経済大国である日本が何故世界の幸福度ランキングで落ち込んでしまうのか?」を検証する為に、ランキング上位国に実際に住んでみて、何が優れているのかを学び、日本の皆様にフィードバックしようという試みです。

素晴らしいですね!第2作も楽しみにしています。

今回、私が注目した言葉は『幸福度』です。ジュニアプレイヤーは日々のテニス生活で『幸せ』を感じているのでしょうか?今、子供も大人も日本では大変忙しい毎日を送っています。忙しい毎日の中で、子供達はどのように教育をうけているのでしょう?

我々が子供の時代は、『詰め込み教育』『文武両道』で育ちました。それは、将来大企業でせっせと働く人材を育てる為であり、日本経済も右肩上がりだったのでそれで良しとされていました。

現在では、子供達に他人にはない特別な能力を身につけさせたいという風潮があるような気がします。それも時代が求めていることであり、良いことであると思います。しかし、その方法はさらに『詰め込み教育』になっている気がします。ゴールが違えば、プロセスも変えていかないといけないのではないかと思います。

我々の子供時代はまだ、量的な『詰め込み教育』だけでしたが、現在では量的だけでなく質的にも『詰め込み教育』になっている気がします。質的に『詰め込み教育』というのは、ノウハウを教え込むということです。我々の時代は、量的には詰め込まれていましたが質的には結構アバウトで『がんばればなんとかなる』という感じでした。ただ、それが良い逃げ場になり『学び方は各自で考える』という風な自由さがありました。

今は、量的にも質的にも詰め込む為、逃げ場がなく学びの自由さがなくなってます。

ここで、留学していたバルセロナでの練習日程を紹介します。月曜から金曜までは午前中は9時から13時、午後は16時から18時の練習が毎日続きます。土曜日は午前の8時から10時の練習のみで、日曜は完全OFFです。土曜の10時以降と日曜は誰も練習しません。マレーもモナコも、他の選手たちもその時間にコートでみたことは一度もありません。(私はコートが見えるバンガローに住んでいたので間違いないです。)祝日も終日練習は休みです。一度、練習したくてうずうずしてしまい、祝日に日本人のプレイヤーと二人で練習していました。すると偶然通りがかったコーチに「なぜ休日に練習するんだ!」と怒られてしまいました。。日本なら「休日まで練習してがんばっているな!」と褒められたかもしれません。

一方で練習のある日は必ずコートに立たなければなりません。

『どんなに怪我していても、雨が降ってもコートに来い!そうすれば、何かが起こる!』

バルセロナのコーチはこう言います。この『何か』が上達には必要不可欠なのでしょう。以前のブログにも書きましたが、上達には偶然性が必要だと思います。偶然による『気づき』が上達には不可欠だと思っています。休みはしっかりと取った上で、練習する日は必ず練習する。この習慣が、上達に不可欠な偶然性を生むのだと思います。
日本だと体のどこかが痛むと、練習を休んで替わりに日曜に練習しようとするかもしれません。その方が効率が良いからです。しかし、その効率の良さが、『気づき』を生み出す偶然性をなくしているような気がします。

バルセロナで行われていることは、しっかり練習してしっかり休むこと。特に、頭や気持ちといった感情的な部分を休ませることが、日本人は苦手な気がします。このことが、幸福度を下げる原因になっていると思います。体のどこかが痛くてもコートに来て、筋トレなどのできる限りのトレーニングをする。そして休日はしっかりと休む。非効率に感じますが、それこそが上達への近道であり、幸せを感じ続ける練習方法なのかもしれません。日々の練習において、ジュニアプレイヤー達には厳しさやつらさもふくめた『幸せ』を感じてもらいたい。テニスの試合に勝つという困難なチャレンジをあえてすることで、人生をより幸せにしてもらいたい。それにはまず我々大人達が変わらないといけないですね。日本の幸福度ランキングをGDPランキング並みにあげていきましょう!

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