後悔。。。は成長には不可欠。。。
こんにちは!日曜日は遠吠えブログ。
みなさんは後悔ってしますか?僕はあんまりしないんです。(そんなことどうでもいいって?笑)なにか嫌なことがあっても、まあそんなもんかで、すんでしまう。そんな僕の数少ない人生での後悔とその出来事から学んだことです。
あれはバルセロナにテニス留学し、27歳の僕が10代のプレイヤーに混ざって7ヶ月ほどたった夏のクソ暑い日のことだった。日々の練習のハードさ、合わない食事、そして他の日本人が全員帰国し日本人が僕一人になったことによりストレスが限界まで溜まっていた。どうしてもソリの合わないコーチのドリル練習に、いつものように全力で黙々と取り組んでいた。そのコーチは、仕事熱心ではない怠け者である、日本人の仕事ぶりと比較すると、不真面目で適当なのだ。
そして僕はキレてしまった。。。社会人になってから喧嘩をしたのは2回だけ。。。23歳くらいの時に職場の上司と1回、これが2回目だ。(まあ、ジュニアの親御さんと小さいのが2回くらいあるけど、紳士に喧嘩しました、笑)まあ、激しくキレてしまい、人生で1番のスペイン語の羅列を披露し、『お前がいるなら俺はずっとランニングでいい』と言い放ってコートを飛び出し、ランニングに行った。プレイヤーがコーチにキレるなんてあるまじき行為ですよね。。。反省です。。。
さて、なぜキレてしまったのか?帰国して冷静に自己分析できるようになった。一つは、日本人ひとりぼっちになって24時間日本語を全く話さない期間が1ヶ月以上続いていたことが大きい。そして僕が1番自分を嫌いになったのは、『お客さん意識』があったことを自覚した瞬間でした。頑張って貯金した。家賃の安い所に引っ越して、食費を15000円にして、毎日弁当作って貯めた。そうやってお金を使ってバルセロナまで来たのに、目の前のこのコーチは真面目に仕事をしてくれない。そういう意識があったんだと思う。
実際、ヘッドコーチと後で話し合った時に、『あいつはレイジー(怠け者)だ!』といった記憶がある。。。テニスというスポーツを通じて自分を高める為にバルセロナに来たはずだったのに。。。練習しまくって自分のテニス人生の最高到達点を創り上げる為に来たはずだったのに。。。帰国してコーチとしてバルセロナのスペインテニスを伝える為に来たはずだったのに。。。今思っても、後悔しか残らない。。。
でも茂木健一郎さん曰く、最新の脳科学では、後悔こそが人間を成長させることが証明されているらしい。僕の持論は寝れない夜がないと人は成長できない、だ。(俺のことなんかどうでもいいって?笑)バルセロナで喧嘩をして以来、1ヶ月ほど悔しくて寝られなかった。僕の主張や怒った理由は全く理解されなかったからだ。言葉の通じない国で総スカン状態。。。孤独でしたね、笑。
これもあとから考えてわかったことなんだけど、真面目に仕事をしているかどうかの判断基準は日本人であり日本で育った僕の判断基準であり、スペインでのそれとは違ったのだ。日本に来て、日本の仕組みに外人が怒っても取り合ってくれるわけがない。。。
この経験によって、それまでもこだわりのあったお金の使い方にさらなるこだわりができた。『捨てる気持ちで使う』というポリシーだ。僕はケチだ。等価交換でないと腹が立つし、何を買うにも原価をイメージして損とか得とか考えてしまう。自分がそんな人間だとしってるからこそ、使う時は『捨てるように使う』という意識を持っている。それは、市場の原理に左右されないように、より崇高な目標を意識する為に。
例えば、本だけは(こずかいが尽きるまでは)迷わずに買うことにしている。そして、本1冊ずつの内容に等価交換としての見返りは求めないことにしている。1冊につき1文くらい頭に響けば十分だと思っている。別になくてもいい。等価交換を求めるととてもじゃないけど、勿体無くて買っていられない。『捨てるように』お金を使って本を買うことによって(実際に読まずに積ん読状態の本もたくさんある)、新しい知識に触れることや、読んで考えることを大切にしている。バルセロナでの喧嘩の経験がないと、こういう発想にはなれなかっただろう。
テニスの上達にも、勉強の成績UPにも、ピアノが上手くなるにもすべてにおいてコストがかかる。コストパフォーマンスというものは、当然頭の中をグルグルと回る。でもあんまりそれにばっかり気を取られないでほしい。消費者マインドでは育つものも育たない。。。景気のいい話はこれからはなくなるだろう。だからこそ、この時の後悔を忘れずに、向上していきたいと思う。
ネット上で知ったコーチの技術本を大人買いした。1冊読んで様子を見てなんてことはしない。全部買った。こっちが信じれば必ず救われる。信じて良いと思える職人気質のコーチだ。値踏みしている頃の僕ではできなかっただろう。バルセロナでの後悔は僕を成長させてくれている。。
このバルセロナでの喧嘩には後日談がある。コーチ一同から総スカンで、落ち込みどうしていいのかわからない僕に、ヘッドコーチであるトニーが手紙をくれた。体重100キロは優にこえる巨漢であり、お昼ご飯は肉とコーラしか食べないジャンキーな男だ。でも鬼のような形相とはうらはらに、繊細で優しい心根を持っている。
英語は知らずスペイン語しか使えない彼が、一生懸命英語で書いてくれた。そこには、日々練習に真剣に取り組んでいることへの評価と、テニスがレベルUPしていることへの評価、そしてどんなコーチでも信頼して頑張ることの大切さが書かれていた。感動して何度も読み返したし、今でもその手紙は大切にとってある。そして僕は、喧嘩したコーチにあやまりなんとかメンタルを保ちながらコートにたった。
面白いことに喧嘩をしてすぐ、なんと練習環境のレベルが上がったのだ。喧嘩の罰としてクラスを下げられると思っていた僕は、少し拍子抜けした。日本人が自己主張するなんて珍しいからとのことだった。
でもあとあと話を聞くと、基本的に喧嘩をすることはご法度であり、当然罰則に値することだそうだ。ただ、バルセロナでは日本人の持つコツコツ頑張る姿勢は評価されるし、その上で自己主張できたことがプラスに働いたらしい。それプラス、くだんのコーチは内部でもあまり評価が良くなく、仕方なくフォローしていたということも加味されたみたいだ。
そんなこんなで、このバルセロナでの喧嘩のエピソードは、僕にお金の使い方の大きな意識改革と、海外でも日本人のコツコツと頑張る姿勢は評価を得られるという、2つの大きな気づきをもたらしてくれましたとさ!
P.S.『捨てるように』というのは、あくまで僕自身の心に響くように考えた言葉です。道徳に反する表現であることはわかっているし、他人に強要することもないのであしからず。笑。
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