いろいろな格差2


ずいぶん前に、いろいろな格差という題名でブログを書いた。こちら。プレイヤーには、物覚えの早い子もいれば遅い子もいる、そんな差は気にしなで頑張って練習してほしいという内容だったと思う。しかし、最近また違う意味での格差を感じるようになってきた。

ひとつはモチベーション格差。もうひとつは情報格差だ。

10年前に比べて試合に出る年齢がどんどん下がっている。もう1年生や2年生で、11歳以下の大会に出場している選手をみてもそんなに驚かない。1年生でしっかりとサーブを入れてラリーをしている。3年生、4年生になるとランキングを気にしながらプレイしている子がほとんどだ。当然のようにこの子達の中で、数あるスポーツの中から自発的にテニスを選んだ子はほとんどいないと思う。勉強に比べて、テニスが好きであることは間違いないと思うが、いくつもの選択肢があったわけではないだろう。

3年生からランキングを気にしながらプレイしているのだから、もともと成熟していないどころか、人生の自己判断もままならない年齢で、テニスに対するモチベーションが続くわけがない。低年齢であるほど、自分が1番でなければつまらないはずだ。

これは会社組織でも同じだと思う。新入社員のうちから、査定されて、その上会社をころころ変えることを良しとしない文化の中で、モチベーションをキープするのは難しい。僕が危惧しているのは、真面目にコツコツとできる人こそモチベーションを保つのが難しくなっているということ。悲観的な言い方をすると、会社組織でも、ジュニアテニス界でも、社員やプレイヤーを『人材』として扱っていないのだ。誰がということではなく、社会的にそうなってしまっているんじゃないかな。。。

このモチベーション格差によって国内のテニスや仕事の平均的なレベルは必ず下がると思う。小学生のテニスも仕事も、成功しているTOPプレイヤーは楽しく、モチベーションが上がるが、そうでない人のモチベーションは下がる一方で、その成果も差がどんどんついていくことになるだろう。小学生で結果がでれば、どんどん上手くなるが、そうでなければ下手するとテニスを辞めてしまうことになる。この流れは残念ながら止まらないだろう。

ということはどういうことかというと、もはや地域、もしくは日本国内のランキングというものは崩壊しているということなのかもしれない。モチベーションの高い50人の中でTOPにいるのと、モチベーションの高い10人の中でTOPにいることは全然違う。地域の中でのランキングにこだわる必要はないのかもしれない。もうそのものさしは古いのかもしれない。そのものさしを取っ払えば、ある意味でモチベーション格差の是正になるような気がする。
そしてもう一つの情報格差。これは、ジュニア選手のサポート役になる人だ。みなさん、大きな期待と不安を抱えてサポートしている。僕のこのブログにも質問のメッセージが届く。普段、目の前にいるコーチにはやはり聞きにくいことがある。僕に、セカンドオピニオン的な感じで意見を求めてくる。こんなスペイン帰りお気楽テニスコーチの僕でお役に立てるかどうかはおいておいて、笑。

とてもいいことだと思う。ひとりで抱え込むことの方が危険だし、考えが変な方向に行きやすい。Twitterやこのブログなどで、多くのジュニアのご父兄の方とコミニュケーションを取らせていただいているが、情報収集が上手い人ほど、筋が通っていて冷静にサポートしてあげられている印象を受ける。僕もものすごく勉強になる。

たくさんの意見を聞いて、その情報の多さに溺れず(これが難しい)、そして耳を傾ける意見とそうでない意見を判断する(これも難しい)、そして耳を傾けるべき意見のなかで、自分のこれまでの主義に反することでも、
必要と判断したものに関しては、取り入れていく。(これがすご~く難しい)僕が尊敬するご父兄の方々は、これができる。

たくさん情報を入れて、なんでもかんでも取り入れるわけではないんです。そして、まったく取り入れないわけではないんです。これができるご父兄の方からは、僕も勉強させていただくことが多いです。

このモチベーション格差と情報格差は、ほっとけない問題だと思ってます。そしてこの二つはお互いがリンクしているのではないか?と思っています。テニスを取り巻く全員が、この格差をほっとけない問題として意識してほしーなー!
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