シェア、クラウド、叩き上げ
いや~、しかし景気については良いニュースがないですね。。。景気が悪いのに利益を追求すると、行き着く先は経費削減。それはすなわち労働者の給料削減。。。するとますますみんなお金を使わなくなり、ますます不景気に。そんな負のスパイラルが止まりません。そんな世間の流れに負けずになんとかテニスの選手育成部門を盛り上げられる方法はないかと、考える毎日です。思いついたキーワードは題名にある『シェア』、『クラウド』、『叩き上げ』の3つです。
『シェア』とは2通りの考え方ができます。1つ目は選手がコーチをシェアする場合です。ツアーを転戦する選手はコーチをつけたいけれど、なかなか単独で契約できるほどの、金銭的な余裕がありません。その為、複数の選手でコーチを『シェア』する方法があります。松岡修造がボブ・ブレットと契約していた時もそうですし、今回ブラッド・ギルバートと契約した錦織圭選手も年間15大会(おそらく)という契約内容です。その期間以外はブラッド・ギルバートコーチは他の選手をみることになります。松岡選手や錦織選手の場合は、コーチが人気の為に『シェア』する形でもありますが、多くの日本人選手の場合は金銭的な事情による『シェア』です。このような場合の選手とコーチの関係は競技テニスのピラミッドでも上の方の階級の話です。
今回、僕が考えた『シェア』はピラミッドの底辺での話です。テニスクラブが選手を『シェア』するという考え方です。悪い言い方をすれば、選手がテニスクラブを二股かけているという風になりますが、それは考え方次第です。最近は、子供達のスケジュールがとにかく過密です。学校と塾の合間をぬってテニスクラブに通う必要があります。塾がある日は近所のテニスクラブに行き、塾のない日は少し遠めの大きいテニスクラブい通う。そのようなスタイルを根付かせることが重要だと思います。そしてテニスクラブがそのことに寛容になること。塾もそうですが、子供の囲い込みはやめるべきです。敵は『世界』であり、隣の塾やテニスクラブではありません。『シェア』という言葉は誤解を招くかも知れません。子供達のスケジュールの中で最良のテニス環境を考えた結果として『シェア』している形になっているということです。
そして、その『シェア』の質をあげる為に『クラウド』が必要になります。選手のデータを作って『クラウド』に置き、どのテニスクラブのコーチでも情報が読み取れるようにしておくのです。その選手は週何回テニスをしていて、戦績はこれくらいで、今はどんな課題を持って練習しているかくらいがわかればいいのではないでしょうか?そうすると選手の弱点もばれてしまうのでは?と聞かれそうですが、あくまでピラミッドの底辺の選手なので、弱点よりも『伸び代』への期待を大切に考えるべきです。そうすることによって、地域全体で選手を育てるという一体感が生まれると思います。テニスの話ではないですが、そうした一体感で子供の運動能力を高めているのが福井県だと思います。学校での運動プログラムがしっかりと共有されていて全国の運動能力テストで第1位になりました。残念ながら、我らが大阪は最下位だそうです。。。
そして最後はどのクラブにも沢山いる『叩き上げのテニスコーチ』です。『叩き上げコーチ』とは、選手としての実績は目立ったものはないですが、テニスクラブに就職してコーチとしての勉強を重ねているコーチのことです。『叩き上げコーチ』は選手あがりのコーチと比べて、『テニス以外の世界』をたくさん知っています。そして、一度サラリーマン経験のあるコーチなどは、この社会人としての経験がさらに役に立ちます。ピラミッドの底辺の選手にとっては、生活のすべてがテニスであはありません。その指導やサポートは『叩き上げコーチ』の方が向いているかも知れません。サラリーマン経験があると、前述の『シェア』や『クラウド』での情報共有にも私情を抜きにして、柔軟に対応できるでしょう。そしてちょっと失礼ですが、選手あがりのコーチよりもコストがかからない場合が多いのではないでしょうか?(僕も叩き上げなので許してちょ。)
各地域のテニスクラブが一体となって、選手を『シェア』して『クラウド』でその情報を共有し、『叩き上げコーチ』がピラミッドの上の方まで育て上げる。ピラミッドの上の方の選手は大きなテニスクラブで、選手あがりのコーチに指導を受ければいいと思う。そうすれば、選手あがりのコーチの元には優秀な選手が集まってくる仕組みも作れます。福井県の運動能力テスト1位を見習って、地域全体でのテニス力アップを目指す。全体の底あげは必ずテニス界に良い流れをもたらしてくれるはず。このようなことを考えているコーチは日本中に沢山いるはずです。
しかし、組織が大きくなるほど、判断ができなくなる。誰かが得すれば、誰かが損をするから。組織が大きくない中国の企業は素早い判断でどんどん成長していっています。日本は一度大敗するまで、判断を先送りにするのかな。。
ブラックジャックによろしくという漫画の中で『正しいのは弱いってことだ。』というフレーズが出てきます。たぶん、こういった案は弱い。ある意味で、一人の人間の主観的な正しさでできているから。実現することは難しい。あとは強さを備える知恵だ!その答えは日々の生活の中にしかない。そして行動すること。
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