フェデラー選手のインタビューから考える、サポートとプレッシャーの境界線について。


ロジャー・フェデラー選手が『Roger Federer warns against the perils of pushy parents』という題名でインタビューに答えています。グーグル翻訳にコピペすると簡単に読めますので参考にして見てください。このようにフェデラーがインタビューで答えるということは、世界中で一生懸命になりすぎてプレッシャーになってしまう保護者の方が増えてきているということに対する警鐘だと思います。世界中でジュニアテニスは低年齢化し、低年齢の頃から競争が激しくなっています。インタビューの内容から重要だと思う部分を紹介します。(翻訳は私ですのであしからず。。。)

フェデラーのインタビューからの抜粋

he argues athletes should be given space to develop without unnecessary pressure.
彼はアスリートには不必要な圧力なしで上達するための環境が与えられるべきだと主張する。

フェデラーがそう言うことは、彼は不必要なプレッシャーがかかっているケースが多いと感じているのでしょう。不必要という表現は、過剰なとか、行きすぎたという風に置き換えることができると思います。テニスはゲームです。勝ち負けはつきますが、低年齢での勝ち負け以上に周りがそこに過剰な価値をつけてしまうと良くないです。

parents of would-be tennis stars should give their children space for coaching and practice without them.
テニススターになろうとしている両親は、子どもたちに、両親が見ていないコーチングと実践のための環境を与えなければなりません。

これも同じく、フェデラーはそういうシーンをたくさん見ているのでしょう。私も昨年、世界中のテニス環境を見ようと旅をしましたが、世界中で付きっ切りで、コートサイドで見守続ける保護者の方々をたくさん見ました。

世界1位を4人育てたアンヘル・ヒメネスコーチのインタビューから

バルセロナ、サンチェス・カサルのアンヘルヘッドコーチが言うように、保護者のサポートは必要不可欠です。

世界1位を4人サポートしてきたスペインの伝説級コーチに親の役割について聞いてみた。アンヘル・ヒメネスインタビュー!

私もジュニア界はお父さん・お母さんの努力で盛り上がっていると感じています。このフェデラーのインタビューを参考に、サポートのバランスをうまく取って、より効果的なサポートになればいいなと思います。フェデラー自身も、

Saying his own parents had managed to find the ideal balance,
自分の両親は理想的なバランスを取ることができていたと

と言っています。先のインタビューの中でアンヘルコーチは、グランドスラムチャンピオンであるクズネツォワ選手のご両親のサポートについて、『サポートはしていましたが、プレッシャーはかけていませんでした』とはっきり言っています。

私の経験

日本人は感性が繊細なので、ついつい言い過ぎてプレッシャーをかけすぎてしまう傾向にあるのかもしれません。私がコーチを20年した江坂TCでは、中村藍子選手、奈良くるみ選手というグランドスラムに出るような選手が練習していましたが、二人とも練習中に親の姿を見たことはほとんどありません。中村選手は小学校の頃に指導させていただいていましたが、親御さんの姿を見たことは稀でした。最近でもプロになったり全国でトップクラスになる選手がいましたが、前述の2人よりは時代の違いか練習や試合を見る回数は多いですが、コーチである私とコミュニケーションを取り、サポートに徹していた感はありました。『見ると色々とアドバイスしたくなるので見ないようにしています。なのでよろしくお願いします。』みたいなやりとりを良くしていましたね。サポートとプレッシャーは紙一重で、全くなくても駄目ですし、行きすぎるとプレッシャーに変わります。フェデラー選手のインタビューをいつも頭の片隅に置いて行動したいですね。本当に難しく悩ましく正解のない厄介な問題だと思います。

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