数の原理と競争!
こんにちは!日曜日は遠吠えブログ!今日は、数の原理(ちょっとおおげさかな?)を真剣に考えてみようと思います。コーチとプレイヤーは何対何くらいの人数比がちょうどいいのか?(プレイヤーの年齢のイメージは小学5年生くらいから高校生まで)そして各人数比にとってどんな指導法が良いのか?そしてなぜそう思うのか?
とりあえずは、例外的な存在から考えて見よう。錦織選手の場合。トッププロはプレイヤー1人に対してサポートするメンバーが多数います。錦織選手は常に帯同してくれるダンテコーチと年間15大会サポートしてくれるブラッド・ギルバートコーチ。その他にもトレーナーなどでチームを作ってサポートしてくれます。ここまでのチームを作れるのは、テニス選手の中でもほんの一握りでしょう。
例外はさておき、基本的にはテニスクラブや部活動をイメージして考えを進めていきたいと思っています。ではプレイヤーとコーチが1対1の場合。これは、プライベートレッスンを行うという形。この形だと、コーチと二人三脚で雑音なしにテニスを作って行くことができます。コーチと親との相互理解は必要不可欠でしょうが、その関係が良好ならば、プレイヤーは安心して練習に取り組めるでしょう。問題点としては、毎日プレイヤーレッスンを3時間するというのは経済的に不可能に近いということ。そして、プレイヤーは同年代そして同レベルのプレイヤーとのヒッティングの機会が得られないということです。でも、まあこの形も経済的なことを考えれば、かなり例外は的なケースと言えるでしょう。(一月にレッスン代だけで、5、60万くらいかかる。。。)
続いて部活動などの場合でコーチもしくは顧問の先生1人に対してプレイヤー多数という場合。名門校は強者ばかりが集まり、切磋琢磨していくという感じ。それ以外はそれほど結果というものは重視していないでしょう。この場合についてはあまり情報がないので、ちょっとおいておく。
では一般的テニススクールでのケース。これを深く掘り下げて考えたい。
コーチ1人に対してプレイヤー8人くらいのケース。一般的なテニスクラブではこのくらいの割合が多いのではないでしょうか?こうなると、練習の仕方というか目指す所によって数の原理が働いてくると思います。ここでは、目指す所について3パターン用意したいと思います。
①とにかく世界を目指す!
②全日本を目指す!
③各プレイヤーにとってのベストをゴールとして、
具体的な目標は作らない。
①の場合。世界のテニスを研究しているコーチが、とにかく徹底的に技術を仕込んで行く。やることが高度であり、すぐに結果がでる練習ではないので、とにかくコーチを信じることが重要になってくる。徹底的にやるということは、ついていけない選手はおいてけぼりにするということ。8人中1人がなんとかものになる。(さすがに全員潰せるほどのコーチはいないだろう。。。)他の7人は、難しい技術は身につくが結果がでるまでは到達できないかもしれない。
②とにかく地域での競争に勝ち残ることを目指す。世界を視野にいれなければ、それほど難しい技術にチャレンジする必要はなく、当たり前のショットをマスターしていく。ただ、全国大会に出るには、ラリーを繰り返しながら、最後に決めきれるか、粘り切れるか、どちらかの能力が必要になる。8人のチームを指導する時に、どちらを指導するかを選択しなければならない。別にケースbyケースでプレイヤーによって変えればいいという意見もあるだろう。でも、2年一区切りで結果を求められるジュニアでは、そんな悠長なことはできない。僕の主観では、『最後は決め切る』という指導をしている所がほとんどではないかと思う。これはなんというか、風潮であり、それが一般的だろうとか、普通そうするでしょうみたいな空気があるからだと思うのですが。この最後は決め切るというのが、数の原理にすると8人中2人くらいのプレイヤーにしか合わないのではないかと思う。サッカーを見てもそのように感じるんですが、得点を取るという行為は、先天的な要素が作用すると思う。テニスにおいても同じように感じます。誤解がない様にしたいのですが、この場合の決め切るというのは、圧倒的に相手の動きを止めてエースを取る行為のことです。相手を振り回してミスを誘ったり、最後はボレーで押し込むといった類ではないです。この場合でも8人中6人は結果に恵まれない可能性が高い。
では③。一見、理想的に見えますが、1番危険もはらんでいる。目標が曖昧な為に、教えることが困難だからです。この指導をするには終着駅を最低でも高校3年。理想では、区切りを設けないで本人が辞める決断をするまでにしたい所。現在の日本ではこの区切りを設けないというのは不可能に近い。子供達はテニスにおいても、学歴社会とシンクロされて『査定』されている。最も早期の区切りは中学受験を視野にいれた小学5年生での結果。そして中学2年生、高校2年生の時といった具合でしょうか。この区切り、
、区切りで『査定』しないことが重要。そこを乗り越えれば8人中8人がそれなりの結果を残せるでしょう。失敗すれば、8人中0人という可能性もある。現在の社会的風潮では8人中1人か2人くらいかな。。。プレイスタイル的には、ある程度ミスなく慎重なテニスから、自分の得意なパターンに持ち込んでいくという形にほとんどのプレイヤーが落ち着くんじゃないかな。
結局、どのケースでもそれなりの結果を残すのは困難であるという考えに落ち着いてしまう。なんじゃいそりゃ?ですか?テニスはそういうスポーツです。優勝する人以外は負けるし、トーナメント形式ですから、1回負けたら終わりです。競争は残酷です。そして全てのプレイヤーが傷心のまま競技生活を終えます。最後は壁にぶつかって負けて終わるからです。強くなれば、戦うステージが上がります。その繰り返しで、自分が通用しなくなったステージで止まります。最後は通用しないステージで辞めることになるからです。もちろん、その過程で結果よりも大切なことに気がつき、満足のいくチャレンジをして辞めることはできますし、それが理想です。
僕自身の考える理想は③。そして、①や②をコンセプトに指導するコーチがいて、プレイヤーが選択できる環境が一番理想的だと思う。それには、コーチの側も感情と直感だけで指導するのではなく、ある程度システマティックに自分のレッスンスタイルを決めて指導を『仕事』にすることが求められる。バルセロナのコーチは、日本人の感覚から言えば仕事熱心ではないコーチが多い。ただ、クラブの指導論に則って忠実に指導をこなす。プレイヤーによって感情を使い分け、直感であれこれやるのでは長期的に見てプレイヤーが犠牲になりやすい。そして、コーチのその姿勢がプレイヤーの『コーチのお気に入りになりたい』という感情まで生み出させてしまう。そしてこういったことを考えて、今は『べき論』でしか語ることができない新時代の育成法を捻出していくことが、全体の底上げには必要不可欠だと思います。必ず、答えを求められる時が来ます。たぶん。。。
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