テニスが野球やサッカーのように世界で活躍できない理由 Part1
今日はなかなかハードな題材に挑戦しよう。
『テニスは野球やサッカーのようになぜ世界で通用しないのか?』
僕自信も強化ジュニアに携わっているはしくれとして、責任感をもって考えてみようと思う。
まずは、書きやすい言い訳から書いて行こうと思います。
ちゃんと言い訳と書いているので、
僕自身の中ではこれを通用しない理由にするつもりはないという宣言でもあります。
①野球、サッカーに運動神経の良い子がとられる。(言い訳もはなはだしい。)
②野球、サッカーのようにプロリーグが充実していない。
ゴルフも国内プロトーナメントが充実している。
(実業団メイン)なので、大学テニスが終わると就職という手しかなく、夢が持ちにくい。
③個人競技なのに、ボクシングのような階級制がなく、体格で劣る日本人はしんどい。
④水泳などタイムを図る競技だと世界との差が見えるが、その差が見えにくい。
⑤練習にどうしてもお金がかかる。親の経済力が必要。
⑥考えようによってはそんなに世界に通用していない訳ではない。
言い訳って簡単だ!笑。いくらでも言える。。。。情けない。。。
ここで⑥の意見の補足を少ししておきます。サッカーは世界で通用している。
というのはバルセロナに1年3ヶ月暮らしてサッカー文化に触れ、
帰国しても毎週サッカーのスペインリーグを見ている僕からみると?マークです。
(サッカーファンの方ごめんなさい、でもテニスの次に愛しているスポーツはサッカーなのでもう少し言わせてください。)日本人が活躍しているリーグは、3大リーグと呼ばれるスペイン、イングランド、イタリアではありません。
長友選手は強豪インテルに移籍した訳で、応援はしていますが、活躍できるかどうか?
また活躍し続けられるかはわかりません。
僕の考えでは今まで本当の意味で世界で通用したサッカー選手は
中田英寿選手ただ一人だと思っています。(日本人のテニスが通用していないと言うならです。)
でもその中田英寿選手でもイタリアの強豪ローマにいた頃は、
エースであるトッティの控えに甘んじることも多かった。
中村俊輔選手もスペインリーグのエスパニョールでは活躍できなかった。
(怪我をしていたようですが)スコットランドリーグではMVPになるほどの選手なのにです。
大雑把に見て、欧州3大リーグをテニスのグランプリ大会。
それ以外の欧州リーグ(オランダ、ドイツ、スコットランドなど)をチャレンジャー大会と位置付ければ、
テニスもそんなに遜色ないと思ってしまう。(これはそんなに言い訳とは思っていない)
サッカーがテニスと比べて、通用しているように感じるのは、一つは区切り方の問題。
もう一つはメディアの取り上げ方の影響が大きいと思います。
区切り方というのは、いわゆる代表戦です。国ごとに代表を選ぶわけですが、
チームは1ヶ国につき1チームです。テニスの場合そうはいきませんよね?
強い選手なら、国別の枠はありません。グランドスラムに同じ国の選手が何人も出てきます。
サッカーでも例えば、スペイン、アルゼンチン、ブラジルなんかが3チームも4チームもだしていい
ということになり、大陸ごとの予選を廃止されたら、大変難儀なことになるのではないでしょうか?
そしてメディアの報道。バルセロナの試合ならとにかくメッシ中心に報道するけど、
その他にも規格外の選手がたくさんいるし、毎回活躍する選手は違う。
短いニュースだけで活躍しているかどうかなんてわからない。
日本人選手も活躍しているようで、実際どのような評価なのかはわからない。
もっと言えば、テニス選手もメディアの取り上げ方次第では活躍しているように感じるのではないでしょうか?
と、長々とした言い訳はこの辺にしておいて。。。
でも⑥の分析はしっかりとした方がいいと思うけど。
嫉妬からではなく、冷静に分析したつもりなので。。。
ついにここいらで、しっかりと考えていこうと思う。
⑥の分析から考えると、テニスで世界に通用していると言われる為には、
サッカーでいうところの欧州3大リーグの主力選手級のプレイヤーレベルにならないといけない。
例えるなら、メッシ、クリスティアーノ・ロナウド、イブラヒモビッチ、エトー、ドログバ、
フェルナンド・トーレス、シャビ、イニエスタ、ジェラード、ランパード。。。。。キリがない。
こんな選手を作るなんて考えたら無理です。。。作れない。。。現れるのを待つしかない。。。
これを無理やり作ろうとすると、必ず選手を潰すことになると思う。
コーチの勝手なイメージで選手を改造人間にしていく。この過程が才能を潰していっている。このことが、マイナスに働いている。というのが、僕の考える『テニスは野球やサッカーのようになぜ世界で通用しないのか?』という問いに対する答えです。
ではどのようにすれば良いのか?良い選手が現れたら、その育て方を知っている人や環境に預ける。
(もしくは、そういった環境で学んできた経験を持つコーチに)
その環境は、今まで良い選手がたくさん現れた国にあるはず。
そしてチャレンジャーレベルで戦う選手をできるだけたくさん育成していく。
そしてグランプリレベルを世界で通用することと定義するなら、
そのことが底上げになっていくのではないかと思います。
以前のブログで書きましたが、あともう少し頑張ったらそこにいけたのに、という選手を潰さないことです。
才能ある選手ほど、指導者を選べるようにしていくことも重要かもしれません。
サッカーのようにメディアが味方になってくれないテニスは、才能があっても自立ができない。(経済的にという意味で)
僕が言いたいのは、平均的な選手を作ることと、才能ある選手を伸ばすことは全く別であるということ。
みんなが主役の社会的風潮の中では、この二つが混同されてしまいます。
才能ある選手を平均的にしてしまう。普通の選手を才能あるように改造しようとしてしまう。
後者に関しては、そのことが良い結果に結びつくこともあるので、ケースバイケースで認めうる場合もありますが、以前のブログで書いた数の原理が働きます。前者をしてしまうと、残念なことになります。
この問題を考えることはとても重要ですよね。
複雑に色々なことが絡み合っていて、それを解きほぐす過程が必要です。
長くなりそうなので今日はこのへんで!
次回は、普通の選手を才能あるように改造するの部分を重点的に考えたいと思います。
そして男子テニスと女子テニスは違うスポーツであるという認識が指導者には必要なのではないか?
考えも述べていきたいと思います。
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