カリフォルニアに多いジュニアテニスの個人主体の活動。アカデミー時代の終焉。。。
カリフォルニアのジュニアトーナメントを視察しました。はっきり言って、レベルが本当に高い。競争の激しさが伝わってきました。おそらく全日本ジュニアに出ても1回戦や2回戦では負けないレベルの選手達ばかり。しかもみんなカテゴリーをあげて出場している。14歳のジュニアでU16に出ている選手多数。
もともとサンプラスやアガシ、その前はマッケンローやコナーズなど世界1位どころかグランドスラム大会を何回も制したレジェンド級の選手ばかりを輩出してきた国なので、それ級の選手が出ないと弱くなったと言われる辛さがあるのだろう。はっきり言って、テニスのレベルは落ちていないというか、プロ予備軍達のレベルは本当に高いし数もとても多い。
しかし、ふと感じたことがあります。すごい選手がたくさんいるのにも関わらず、テニスアカデミーはあまり盛り上がっていないのです。テニスクラブを数件廻り、選手の人数やコーチの数、またコーチの給料などを聞いていても、強い選手がたくさん所属していて、コーチもたくさんいて、俗っぽい言い方をすると儲かりまくっているアカデミーがない。どこも人件費などを考えると経営は楽ではなさそうだ。前職が関西の大所帯テニスクラブのヘッドコーチなので、そのあたりのソロバン勘定はすぐできる。
そこでとあるカリフォルニアのジュニアテニスアカデミーのディレクターに、素直に質問としてぶつけてみました。
『カリフォルニアの大会を盛り上げている強い選手達は、いったいどこで練習をしているんですか?』
その答えは。。。
『とても良い質問だ!』
でした。
カリフォルニアでは、すでにアカデミー全盛の時代は終わっています。テニスは個人競技、そしてネット社会は個人の時代。各家庭で子供達にとってベストな環境を構築できるように、試行錯誤しながら活動しています。背景には、日本よりもフリーランスのコーチにとって活動しやすい環境がカリフォルニアにはあることが言えると思います。
カリフォルニアでも日本でもテニスクラブ所属していないコーチが、そのクラブのコートでレッスンすることは基本的に良しとされません。ですが、個人事業主が多いカリフォルニアでは、専属コーチでなくても、別契約でコートを使わせてもらえるような契約を交わしてレッスンできる環境があります。稼いだレッスン料の20%をクラブに収めるという形だったり、一月にいくらか払ってあとは使い放題という契約だったり様々です。
日本の場合、フリーランスのコーチが活躍できる場所が限られているので、カリフォルニアのようにはならず、テニスアカデミーやテニスクラブが成り立っていますが、今後は変わってくるかもしれません。現に、所属クラブという概念はすでに正確性を欠くようになってきています。所属はしているけど、そこで練習しているのは週に数回で他のクラブに練習に行ったり、週末は色んなクラブのマッチ練習会に参加したりと、ジュニア選手達の活動は所属クラブの枠内に収まりきらないケースがほとんどです。
日本で今後、フリーランスのコーチが活躍しやすい環境ができるかというと、すぐにそういう風にはならないと思います。でも空きコートがそこそこあるクラブは、そのコートをうまくシェアリングできるような形を構築すれば、能力のあるフリーランスコーチで埋まり、色んな相乗効果が期待できると思いますよ。どっかやらないかな〜。
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