クロアチアのテニス環境。グランドスラムチャンプを生み出す土壌。東欧のハイレベルな選手が集い競い合う場所。


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クロアチアのテニス環境を現地で調査

クロアチアのテニス環境をまとめます。クロアチアには今年の6月にジュニアの遠征で訪れました。訪れたのはプーラとドブロクニクの2都市。綺麗な海が印象に残るアドリア海沿いのプーラと、魔女の宅急便のモデルにもなった世界遺産の街並みがあるドブロクニク。プーラでは10歳以下の世界一決定戦。ドブロクニクでは11歳以下のヨーロッパのビッグトーナメントに参加しました。

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日本との世界ランカー比較

まず始めにクロアチア国籍のテニス選手の状況から。()内は日本人のデータ。2016年10月3日現在のデータです。

男子世界ランク100位内 4人(4人)
男子世界ランク最高位 11位(5位)
男子世界ランカー 30人(68人)

女子世界ランク100位内 2人(4人)
女子世界ランク最高位 55位(31位)
女子世界ランカー 18人(66人)

ジュニア男子世界ランク100位内 0人(5人)
ジュニア男子世界ランク最高位 169位(5位)
ジュニア男子世界ランカー 22人(78人)

ジュニア女子世界ランク100位内 1人(5人)
ジュニア女子世界ランク最高位 63位(16位)
ジュニア女子世界ランカー 24人(105人)

日本とのGDP比較(2015年)

名目GDP 82位 (3位)
一人当たりのGDP 60位 (23位)
()内は日本

テニスコート紹介

こちらは10歳以下の世界一決定戦が行われたプーラのスムリクバテニスクラブ。文字通り世界中から選手が集まるビッグトーナメントですが、ご覧のようにたった3面のクラブです。15年以上前からコツコツと続け、ブランディングされたプライベートトーナメント。『More Than Tennis』をスローガンに掲げた素晴らしい大会です。『More Than Tennis』については下記過去記事をどうぞ。

スムリクバボール遠征備忘録!MORE THAN TENNIS 素晴らしいスローガン!Part1

スムリクバボール遠征備忘録! MORE THAN TENNIS 素晴らしいスローガンPart2!

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そして同じく11歳以下の国際大会(プライベートトーナメント)が行われたドブロクニクのテニスクラブ。レッドクレー5面のクラブです。レッスン風景も見ましたが、選手コースは少人数、試合に出ていなジュニアは一面に6人ほど入ってのレッスンでした。指導は、クレーコートで勝つためのオーソドックスな内容でした。この大会もとにかく内容が素晴らしかったです。選手の一夏の思い出を考えて、試合とエンタメが交互にあります。この大会(Dudbowl)についての過去記事はこちら。代表的なのを。。。エンタメはすべて無料。参加費に含まれています。スポンサーの力ありきの大会です。

スムリクバボール遠征!DudBowl予選終了!攻守の上手さの考察。失敗を許容できる空気感。そして世界遺産での抽選会!!

スムリクバボール遠征!DudBowl!メインドロー&コンソレ1回戦!そしてプールパーティ!!

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物価が安い

遠征中は毎日自炊しました。スーパーで食材を買いましたが物価は安く、野菜やお肉がとても美味しかったのが印象に残っています。ヨーロッパの知る人ぞ知る情報では、クロアチアの生ハムが世界で一番美味しいそうです。お米もあります。リゾット用ですが美味しいです。

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クランドスラムチャンプ

上記の数字上では日本の方が上回っているように見えます。ですが、ご存知のようにクロアチアには、イバニセビッチとチリッチという2人のグランドスラムチャンピオンがいます。イバニセビッチはウインブルドン決勝でラフターを破り、チリッチはUSオープンで錦織選手を破って優勝しています。

大会は充実している

ITFジュニア大会が年間4大会、ヨーロッパジュニアツアー・ETAが10大会行われています。そして特筆すべきは、長年10歳以下の世界一決定戦として行われているスムリクバボール、そして今回の遠征で参加した11歳以下のハイレベルな大会であるDudBowlなどのプライベート大会も充実しています。

地理的な要因

スロベニア同様、国境をまたいでの大会参加に向いている立地です。スロベニアやチェコなどの西側からの参加や、ハンガリー・セルビア・マケドニア・ルーマニア・ブルガリアなどの東側各国の強者も力試しにやってきます。ITFやETAはかなりハイレベルな戦いになります。

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クロアチアの特徴

①物価が安い
②他のヨーロパの国と近いので国境をまたいで大会にチャレンジできる。
③治安が良い
④テニスのレベルは日本と同じくらいだがレッドクレーではクロアチアが上かも。
⑤夏は暑いが湿度がなく過ごしやすい

質の高いプラベート大会を含めて多数の大会があるクロアチア。物価も安く、治安も良いので拠点にして大会を回るには良いと思います。地理的な条件からブルガリアやセルビアなどの東欧の強国の選手も多数参加してくるのでレベルが高いトーナメントを経験できると思います。治安の面もすでに全く問題ありません。

セルビア同様、紛争で長らくテニスどころではありませんでしたが、ようやく落ち着き、これからテニスを盛り上げていこうという気概が感じられます。人間性も陽気で明るく、海外から参加している選手やコーチにもとても優しく接してくれます。個人的にはバルセロナと同じくらい住みたい国です。

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